スイス連邦議会、ギー・パルムラン副大統領を2度目の大統領に選出
(スイス)
ジュネーブ発
2025年12月16日
スイス連邦議会は12月10日、大統領選挙を実施し、ギー・パルムラン副大統領兼経済・教育・研究相が有効投票210票のうち203票を獲得して、2026年の大統領に選出された。後任の副大統領には、イグナツィオ・カシス外務相が有効投票190票のうち144票を獲得して選出された。
スイス国民党(SVP/UDC)所属のパルムラン氏は、2016年に連邦参事会(内閣に相当、注1)に加わり、2021年に大統領を既に1度務めており、今回2度目の大統領就任となる。選挙後の演説でパルムラン氏は、スイスに奉仕する姿勢を強調するとともに、多様性こそがスイスの強みであり、異なる視点が対立するのではなく、むしろ結びつくことで、創造的な思考、大胆な提案、現実的な歩み寄りの余地を見いだせるとした。その上で、現実主義とは、自らの信念を放棄することではなく、共通の基盤を見つけ、時には力を合わせて、国を前進させることを意味するとし、そのためには、親密さ、敬意、そして言葉の壁、地域の違い、個人的な感情、政党政治を超えて、互いに歩み寄る意思が必要だと強調した。これは、連邦議会における実績ある合議制の根底にある考え方であるとし、スイスの未来は対立ではなく、協力の上に築かれるとした。
なお、スイスの大統領選挙は一般的に形式的なものとみなされているが、国会議員にとって連邦参事会のメンバーに対する賛否を表明する場となる。新しい大統領と副大統領は2026年1月1日に就任する(注2)。
(注1)スイスの内閣制度である連邦参事会は、連邦議会から選出された7人の閣僚によって構成される。言語、宗教、地域の多様性、平等性を確保するため、議会の上位4党から2、2、2、1の割合でポストが配分される。
(注2)スイスの大統領は、慣例的に毎年7人の連邦参事会のメンバーの1人が交代で就任する。
(田中晋)
(スイス)
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