インド国際映画祭併設展示会「WAVESフィルムバザール2025」にジェトロが出展

(インド)

ニューデリー発

2025年12月01日

インド西部ゴア州で11月20~24日、コンテンツ分野のBtoB展示会「World Audio Visual & Entertainment Summit(WAVES)フィルムバザール」が開催された。同展示会は「第56回インド国際映画祭(IFFI)2025」に併設され、主に実写映画を制作するプロデューサーやスタジオと、オーバーザトップ(OTT、注1)プラットフォーマーや映画配給会社などがマッチングする場となっている。国外からは、米国、ニュージーランド、ロシア、キルギス、香港などの企業や団体がブースを出展し、自国・地域コンテンツの紹介や撮影ロケ地の紹介、共同制作の提案が行われた。

写真 映画祭メイン会場入り口(ジェトロ撮影)

映画祭メイン会場入り口(ジェトロ撮影)

日本は今回の映画祭およびフィルムバザールで、最も注目度の高い「カントリー・フォーカス」に選ばれた。ジェトロも前回開催に続いて「Japan Street」(注2)の広報ブースを出展した。ブースではジェトロ・ニューデリー事務所のコンテンツ海外支援拠点事業の一環として、コンテンツバイヤーや日本企業の協業連携先となり得るインド企業の発掘およびネットワーク構築を行った。また、映画祭のサイドイベントとして、ジェトロから日本コンテンツの人気の高まりやビジネスチャンスについてのプレゼンテーションも行った。インド企業からは、「日本映画の評価が高まっており、今後も購入を検討したい」「日本を舞台にした作品を制作したく、ロケ地を探している」「日本側との共同制作に関心がある」といった声が聞かれた。

写真 ジェトロによるプレゼンテーションの様子(ジェトロ撮影)

ジェトロによるプレゼンテーションの様子(ジェトロ撮影)

会場内には、最新の映像技術や撮影機材を紹介する「VFX & Techパビリオン」が設置され、動画配信サービスのネットフリックス(Netflix)などの大手エンタメ関連企業のほか、日系企業ではソニーグループと富士フイルムのインド法人が最新製品やソリューションを展示した。インド企業が提供する生成AI(人工知能)を活用した映像制作や吹き替え、字幕作成の技術、VR(仮想現実)を活用した体験型コンテンツなども来場者の関心を集めた。インドの若手クリエーターからは、「日本のコンテンツ作品に影響を受けている。最新の技術を用いながら、インドにはない新しい表現に挑戦したい」といった声があがった。

メインイベントの映画祭では、日本からの6作品を含む世界各国の作品が上映された。また、日本在住のインド人映画監督アンスル・チョウハン氏の実写映画「Tiger」も上映され、日印のコンテンツ交流の象徴的な作品として紹介された。主催者からは、「今後の同映画祭での日本映画の取り扱いについても歓迎していきたい」との声も聞かれた。

(注1)インターネットを通じて映像や音声コンテンツを配信する動画配信などのサービス。

(注2)「Japan Street」は、海外バイヤーとの商談・取引機会の創出を目的に、日本の企業や商品情報(映像コンテンツなどの作品を含む)を掲載するオンラインカタログサイト。ジェトロが招待したバイヤーのみが閲覧可能となっている。

(ジェニカ・カルラ、川崎宏希)

(インド)

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