KACSTと米ルシード、サウジアラビアに電気自動車向けイノベーションセンターを開設
(サウジアラビア、米国)
リヤド発
2025年12月16日
サウジアラビアの国立研究機関キング・アブドゥルアジーズ科学技術都市(KACST)は12月14日、米国の高級電気自動車(EV)メーカー、ルシード・グループ(2023年10月2日記事参照)と共同で、中東初の電気自動車イノベーションセンターをサウジアラビアに開設すると発表した。
12月14日付サウジアラビア国営通信(SPA)
によると、ルシードのマーク・ウィンターホフ暫定最高経営責任者(CEO)は、「この新しいイノベーションセンターは、電気自動車技術の進歩を主導するという当社のコミットメントを体現し、サウジアラビアを技術革新のハブとして強化する取り組みを支援するものだ。ルシードのエンジニアリング専門知識とKACSTの高度な研究能力を組み合わせることで、可能性の限界を押し広げる。私たちのチームは、この研究が持続可能なモビリティの未来を形作ることを認識し、計画された共同作業の開始を心待ちにしている」と述べた。
また、KACSTのタラール・ビン・アハメド・アル・セダイリー研究開発担当上級副総裁は、「この協力により、先進的で影響力の大きい技術の移転と現地化、新たな産業バリューチェーンの構築、研究開発・イノベーションシステムと産業・投資戦略の統合強化が進む。これにより、知識を製品や技術へ転換するプロセスが加速し、持続可能なモビリティの未来を支え、国家経済の競争力を高めることが可能となる」と述べた。また、ルシードのファイサル・スルタン中東地域担当副社長兼マネージングディレクターは、「本センターの開設は、サウジアラビアに対するルシードのコミットメントの大きな前進だ。この協力は、当社の地域における存在感を強化し、地元人材を育成し、『ビジョン2030』に沿った活気ある技術エコシステムの構築に貢献する」と述べた。
さらに、同センターは、地域・国内・世界の研究専門知識を結集する中核プラットフォームとして機能し、KACSTのイノベーションへの取り組みを体現するとともに、ルシードの先進技術におけるリーダーシップを強化するという。製品ポートフォリオ全体の効率性・機能性・性能向上に焦点を当て、開発の加速、セグメント内での主導権強化、そしてサウジアラビアの未来のモビリティ産業の成長を支援するとしている。
(林憲忠)
(サウジアラビア、米国)
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