第18回カンボジア貿易エキスポが開催、国産品の輸出拡大を強調

(カンボジア)

プノンペン発

2025年12月11日

「商業の新時代:ローカルプロダクトの評価を高める」をテーマとする第18回カンボジア貿易エキスポ(CTExpo)(注)が、12月4日から7日までの4日間、プノンペンのPH Grand Hall Centerで開催された。

4日午前に行われた開幕セレモニーには、スン・チャントール副首相兼カンボジア開発評議会(CDC)第1副議長やチャム・ニモル商業相のほか、商業省関係者ら約500人が出席した。

スン・チャントール氏はオープニングスピーチで、「10月26日に米国との間で相互関税について19%で合意したが、ワーキンググループは引き続き、引き下げる努力を続けている。関税のさらなる引き下げは、カンボジア国内への投資を呼び込み、特に国境紛争の影響でタイから帰国したカンボジア人労働者に数千の雇用を提供することになる」と述べた。その上で、既存のマーケットは維持しつつも、国内外で新規市場を積極的に開拓するよう商業省に強く要請した。

チャム・ニモル氏は「国内外の複数のパートナーとのMOU(覚書)を締結で、カンボジア産品の輸出拡大に取り組む」と述べた。また、カンボジア産品輸出の成功事例として、日本のファミリーマート約1万6,000店舗で販売されているカシューナッツの事例(2025年2月19日記事参照)が紹介された。

写真 スピーチを行うチャム・ニモル商業相(ジェトロ撮影)

スピーチを行うチャム・ニモル商業相(ジェトロ撮影)

同展示会には、163社・団体によるブースが設置された。出展ブースの多くはカンボジア企業だったが、会場の約4分の1がベトナムゾーンとなるなど、ベトナム企業の出展も目立った。国境紛争を受けたタイ製品の不買運動が広がる中で、国内製やベトナムなどの海外製の商品でタイ製品を置き換える動きが今後も拡大するとみられる。

(注)新型コロナウイルスの感染拡大などに伴い2回の中止があったものの、2006年から毎年実施しており、2025年で18回目。2023年までは「Cambodia Import Export One Province One Product Exhibition(一州一品展示会)」として実施していたが、2024年から「Cambodia Trade Expo – CTExpo(カンボジア貿易エキスポ)」に名称変更した。

(宮嶋紀輝、トー・タイ)

(カンボジア)

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