トタルエナジーズ、米国で日本市場向けにe-メタン製造事業を開始

(フランス、ベルギー、日本、米国)

パリ発

2025年12月10日

フランスエネルギー大手トタルエナジーズは12月2日、エネルギー転換とグリーンエネルギー事業を展開しているベルギーのツリー・エナジー・ソリューションズ(TES)、大阪ガス、東邦ガス、伊藤忠商事と、米国ネブラスカ州で日本市場向けに大規模な合成メタン(e-NG、別名e-メタン)生産計画「ライブ・オーク」実施に向け、基本設計(FEED)のための共同開発・運営契約の締結を発表した(12月2日付同社プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

トタルエナジーズとTESは、e-NGの大規模生産を先導する目的で2023年に締結した戦略的提携に基づき、再生可能エネルギーから生成するグリーン水素と、潤沢なトウモロコシ生産量を背景に米国第2位のバイオエタノール製造地となっているネブラスカ州の工場から回収するバイオマス由来の二酸化炭素(CO2)を活用し、本計画を実施する。両社は同契約によりそれぞれ33.35%の持分を維持し、日本企業3社に対して合計33.3%の持分を付与した。

本計画は約250メガワット(MW)の水電解能力と年間7万5,000トンのe-NG生産能力を目指す。2027年の最終投資意思決定(FID)を経て、2030年をめどに商業化を予定している。

日本のガス大手が2030年までにガス導管網へ1%のカーボンニュートラルガス(e-NGなど)を注入する目標を設定する中、大阪ガスと東邦ガスを主要な取引先として、日本向けにe-NGを輸出する。2社は本事業を通じて脱炭素化の取り組みを強化できるという。

e-NGは天然ガスと同じ成分となるため、液化天然ガス(LNG)輸送船を含む輸送インフラの改修は不要で、既存設備を活用できる。

(ピエリック・グルニエ)

(フランス、ベルギー、日本、米国)

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