イラン、通貨単位からゼロ4桁を削除する法律施行、高インフレ対応の一環

イラン国会議長は10月12日、国の通貨単位からゼロを4桁削除する法律の施行を正式に発表した〔10月12日付イスラーム共和国通信（IRNA）〕。現行の1万リアルは、新たな1リアルと再定義される。

この決議の実施には数年にわたる移行期間が設けられる。移行期間中、古い紙幣と新しい紙幣は最大3年間にわたり併存して流通することが決められている。

移行期間終了後には、新1リアルの100分の1に相当する新たな補助単位「ケラン」が導入される。現在の1万リアルは新たに導入の「100ケラン」に相当することとなる。同決議では、イラン中央銀行に対し、本法の発効日から2年以内に移行期間開始に必要な手続きを整備することが義務付けられている。また、中央銀行は移行期間の開始を公式新聞、電子ポータル、イラン・イスラム共和国テレビ・ラジオを通じて公表しなければならないと規定されている。

10月8日には監督官委員会の評議会が、本法はイスラム法（シャリーア）および憲法に抵触しないとの判断を示し、承認を行っている（10月8日付IRNA）。

イラン統計センターの発表によれば、イラン暦1404年7月（2025年9月23日～2025年10月22日）の消費者物価指数（CPI）は前年同月比48.6％上昇し、前月の45.3％からさらに加速した。前月比でも5％の上昇を記録している（添付資料表参照）。11月8日付IRNAによると、こうした高インフレ環境に対応する措置の一環として本法が導入されたという。

（マティン・バリネジャド）