テヘランで深刻な水不足、ダム枯渇危機で水配給や避難の可能性
(イラン)
テヘラン発
2025年11月13日
イラン国立気象局は11月10日、同月7日までの降雨量は前年比83%減少し、過去40年間で前例のない水準となったと発表した。水年(2025年9月23日~2026年9月22日、注)開始から約50日間、国内20州では降雨が皆無で、28のダムの貯水量が3,000万立方メートルを下回っているという〔11月10日付イスラーム共和国通信(IRNA)
〕。
10月5日にはイラン水資源管理会社が、国内約200のダムのうち大規模かつ重要な19基が枯渇の危機にあると発表していた(10月5日付IRNA
)。現地報道によると、水道業界広報担当者は「テヘランでの水圧管理を従来以上に慎重に実施している。消費量削減が進まない場合、公平な水配分措置を検討するが、事前通知を行う」と述べたという。
アッバース・アリーアーバーディー・エネルギー相は、危機的状況によって夜間に水圧をゼロに下げざるを得ない可能性を示唆し、国民に対し緊急用の貯水タンク利用を呼びかけた(11月9日付IRNA
)。
さらに、国内報道によると、マースード・ペゼシュキヤーン大統領は国内報道で、「12月までにテヘランで雨が降らなければ、水を配給する必要がある。その後さらに雨が降らなければ、テヘランからの避難も考えなければならない」と述べ、首都の水不足の深刻さを強調したという。
(注)水年(water year)とは、河川の流量や地中の水分の貯留状況を基準として定める1年の区切りを指す。
(マティン・バリネジャド)
(イラン)
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