広東省、観光・消費刺激策を発表
(中国)
広州発
2025年11月17日
中国の広東省政府は11月3日「『粤享暖冬、楽游広東』消費シーズンイベントに関する総体方案
(以下、方案)」を発表した。「粤享暖冬、楽游広東」は、日本語で「冬も暖かな広東で旅を楽しむ」を意味する。方案によると、省・各市・関連部門が提携し、今冬から来春にかけて広東省で開催される第15回全国運動会(2025年11~12月、注)、アジア太平洋経済協力会合2026(2025年11月~2026年12月)および春節(旧正月)の連休といった主要イベントや祝日に合わせて、広東省全体で統一的かつ段階的に消費キャンペーンや観光ルートを展開し、広範な消費ブームの形成を目指す。「食・宿・交通・観光・娯楽・ショッピング」などの観光要素に焦点を当て、広東省の自然や文化の特色を生かした地域ブランドの構築を推進する。
また、本方案の実施にあたっては、同省の財政から総額35億元(約735億円、1元=約21円)の予算が組まれ、要件に合う自動車、家電製品、電子製品、スポーツ用品、地方特産品を対象として消費券を発行する。うち、自動車向けの消費券は1台あたり最高5,000元、家電製品は1件あたり最高1,000元、電子製品とスポーツ用品、地方特産品は1件当たり最高500元の消費券を発行する。また、春節にあわせて実施するキャンペーン期間(1~3月)には、文化・旅行向けに2,000万元の消費券を発行する。
広東省の張国智副省長は、中国共産党第20期中央委員会第4回全体会議において、第15次5カ年規画(以下、15.5規画)期間(2026~2030年)の経済・社会発展に関する方針が示され、その中で「内需拡大」が戦略的な基点として明確に位置づけられたことを背景に、本イベントの実施に至ったと説明した。さらに、広東省は経済大省としての責任を果たすべく、第14次5カ年規画期間(2021~2025年)の円満な締めくくりと15.5規画期間の円滑なスタートに向けて、高い視点から消費シーズンイベントを体系的に推進し、これにより、広東省が全国の発展に貢献することを目指している、と述べた。
また、深セン市政府は11月4日、広東省の方案に呼応し、「『悦享暖冬、楽購深セン(暖冬を満喫しながら深センでショッピングを楽しむ)』年越し消費シーズンに関する方案」を発表した。
(注)中国で4年に1度開催される国内最大規模の総合スポーツ大会。今回は初めて広東省、香港、マカオの複数地域共同で開催される。
(梁梓園)
(中国)
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