サノフィとマルビオ、モロッコでワクチン製造に向けた戦略的提携を締結

(モロッコ、フランス)

ラバト発

2025年11月05日

フランスの製薬大手サノフィとモロッコのバイオ医薬品企業マルビオ(Marbio外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます、注)は10月28日、カサブランカ近郊のベンスリマン(Benslimane)でSanofi製ワクチンのモロッコ国内での製造および供給に関する戦略的産業パートナーシップ契約を締結した。

本提携により、サノフィはマルビオの製造拠点を活用し、モロッコ国内で7つの主要疾患に対応するワクチンの製造が予定されている。その中には、小児用6種混合ワクチン〔ジフテリア、破傷風、百日ぜき、ポリオ、B型肝炎、インフルエンザ菌b型(Hib)〕や髄膜炎菌ワクチン(12カ月以上の対象者向け)が含まれる。地元メディアによると、今後は狂犬病、インフルエンザ、黄熱病などのワクチン製造も検討されているという。

マルビオの最高経営責任者(CEO)マーク・ファンク氏は「本提携は、アフリカにおける持続可能なワクチン供給網構築への重要な一歩」と述べた。サノフィ・アフリカ担当責任者ジャン=フィリップ・プルースト氏は「この提携を通じて、アフリカでのプレゼンスを強化できることをうれしく思う。ワクチン接種の普及と、地域のバイオテクノロジーエコシステムの発展に貢献する」と強調した。

(注)マルビオは、アフリカのバイオ医薬品製造能力を強化することを目的に創設された。アフリカ連合(AU)の目標に沿って、アフリカの医療自立とワクチン自給体制の確立というビジョンを持ち、2040年までにアフリカ大陸で必要とされるワクチンの60%を自給するという目標を掲げている。

(鈴木優香)

(モロッコ、フランス)

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