過去最大規模でEPIC開催、世界70カ国・地域のスタートアップ参加
(香港)
香港発
2025年11月12日
香港サイエンスパーク(HKSTP)は11月7日、国際的なスタートアップピッチイベント「エレベーター・ピッチ・コンペティション(EPIC)2025」のグランドファイナルを開催した。EPICは、キャセイパシフィック航空や英国金融大手のHSBCなどの共催スポンサーとともに、HKSTPが主催し、9回目を迎えた。
今回は過去最大規模で開催され、応募数は1,200件以上、参加者の国・地域は70以上に及んだ。最終選考に残った100社のうち85%が香港域外の企業で、日本企業も2社含まれた。
ピッチイベントは、デジタルヘルステック、フィンテック、グリーンテックの3部門のスタートアップがそれぞれ3分のスライドを利用しないエレベーターピッチを行い、部門優勝と総合優勝を決める形式で行われた。
総合優勝はシンガポールのスタートアップ「ニューバッテリーマテリアルズ(NEU Battery Materials)」で、グリーンテック部門でも優勝した。同社は、世界初の特許取得済み電気化学的リチウム電池リサイクル技術を開発しており、気候テック分野で高い評価を受けている。他部門では、カナダのケーエー・イメージング(KA Imaging)がデジタルヘルステック部門で、シンガポールのベリ(Belli)がフィンテック部門でそれぞれ優勝した。
賞金総額は24万ドル、投資資金は1億500万ドルに達し、スタートアップへの関心の高まりを反映したものとなった。また、最終選考に残った100社に対しては、同イベント前の数日間で200以上のビジネスマッチングやショーケースの機会提供、中国・深センへのツアーが実施され、域外スタートアップに対して香港や周辺エリアのスタートアップエコシステムの魅力を伝える機会となった。
同イベントに参加した香港政府の陳茂波(ポール・チャン)財政長官は「EPICはグローバルなイノベーションイベントに成長した」と述べ、HKSTP会長の查毅超(サニーチャイ)博士は「香港は結節点として、さまざまなアイデアの国境を越えた成長を加速させる」と強調した。
(平井志穂)
(香港)
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