米ニューヨーク州知事、気候変動の影響への対策と水質保護を支援する補助金制度を発表

(米国)

ニューヨーク発

2025年10月08日

米国ニューヨーク(NY)州のキャシー・ホークル知事は9月30日、気候変動の影響とNY州全域にわたる水質保護に関するプロジェクトを対象とする補助金制度を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。2つの補助金の総額は2,600万ドルとなっている。

1つは、「土壌の健康(soil health)」向上と温室効果ガス(GHG)排出削減を目的とした農場内プロジェクトおよび水質改善支援で、州の「気候変動適応農業補助(CRF)プログラム」を通じ2,400万ドルを拠出する。もう1つは、州の土壌・水資源保全地区が水質と州内の水路の長期的な健全性を保護する取り組みを支援するために「生態系管理プログラム」から200万ドルを拠出する。CRF補助金の申請期限は11月17日、生態系管理プログラムの補助金の申請期限は12月8日となる。

CRF補助金は4つの分野で導入されることになっており、環境負荷の低い破棄物管理と精密飼料管理でメタン排出削減などに貢献する家畜管理のプロジェクト、洪水や干ばつなど気候変動の影響から農業生産者を支援する適応性と耐性を重視したプロジェクト、農場の土壌を改善し気候変動の影響に対する農場の体制を強化するプロジェクト、炭素固定を目的とした農地における森林管理と植樹を支援するプロジェクトとなっている。

発表によると、CRFプログラムはこれまで、8回の補助金制度を通じて580件の農場プロジェクトに6,900万ドルを交付した。これらのプロジェクトによる二酸化炭素換算(CO2e)削減効果は、13万3,377台のガソリン車を1年間走行させないことに相当するとされる。

「生態系管理プログラム」も4つの分野で補助金制度が導入され、それぞれ、河川水路の修復、河川回廊の保護、雨水排水路および道路排水管理、広報・啓発活動となっている。

ホークル知事は、「NY州が環境保護の分野で引き続き主導的役割を果たし、農地や地域社会に重要な資金が投入されていることを誇りに思う」「これらは賢明な投資であり、NY州の水質を保護・改善し、州をより清潔かつ強靭(きょうじん)化するだけでなく、今後何世紀にもわたり、州の農業の経済的な持続可能性を支援するものとなる」と述べた。

(吉田奈津絵)

(米国)

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