ISO、生物多様性に関する組織の行動支援のための国際規格発表
(スイス、ルワンダ、世界)
ジュネーブ発
2025年10月10日
国際標準化機構(ISO)は10月7日、ルワンダのキガリで開催された2025年年次総会で、世界中の組織による生物多様性に関する取り組みを支援するための世界初の国際規格となるISO 17298「組織のための生物多様性–ガイドラインと要求事項」を発表した。
ISO 17298は、組織が生物多様性への影響、依存度、リスク、機会を評価するための実用的で、あらゆる規模に適用可能なフレームワークを世界で初めて提供する規格となる。自然破壊が加速する中、ISOのこの新しい規格は、生物多様性の保護と回復のために、組織が測定可能で説明責任のある行動をとるための重要なツールとなることが期待される。
ISO 17298は、ISO 14001(環境マネジメントシステム-要求事項と利用の手引)、ISO 26000(社会的責任に関する手引)、自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD:Taskforce on Nature-related Financial Disclosures)、持続可能な開発目標(SDGs)といった広く活用されている他のイニシアチブとの相互運用性を確保し、昆明・モントリオール世界生物多様性枠組み、特にSDGs目標15「陸の豊かさも守ろう」に直接貢献するものとなる。
ISO 17298は、60カ国以上の専門家が参加するISO生物多様性専門委員会(ISO/TC 331)によって策定された。ISO 17298は、同委員会が発表した最初の規格となる。同委員会では、この分野のガイダンスをさらに拡充する作業が引き続き進められている。
(佐藤恭子)
(スイス、ルワンダ、世界)
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