サウジアラビア観光省、観光活動に関する違反行為など罰則一覧表を改正
(サウジアラビア)
リヤド発
2025年10月28日
サウジアラビア観光省は10月22日、観光分野におけるコンプライアンス強化、規制枠組みの効率化、全国の観光地におけるサービス品質向上を目的に、観光活動に関する違反行為および罰則の一覧表ならびに施行規則の改正を承認した。
改正後の罰則表では、観光施設の立地や規模を考慮した明確な基準に基づき罰則が適用されるようになり、中小企業の支援と観光法令への適正な順守が促進される。罰則は施設の規模、活動の種類、違反の性質に応じて、公平かつ比例的に科される仕組みとなるという。また、重大な影響を及ぼす違反は「重大違反」として分類される。また、軽微な違反については警告を発し、一定の猶予期間内に是正する機会を設ける警告制度が新たに導入される。これにより、サービス品質や安全基準の向上、観光客の権利保護が一層強化される見込みだ。
違反分類の見直しも行われ、サービス品質や来訪者の安全に直接影響を及ぼす行為については、より重大な違反として扱われるようになる。
改正後の規定では、次の行為が「重大違反」として分類され、免許・許可の取り消しや施設の一部または全面閉鎖といった厳罰が科される。
- 観光省のライセンス未取得で観光活動を行うこと
- ライセンスの取り消し後や有効期限切れ後に活動を継続すること
- 公共の安全を脅かす、あるいはサウジアラビアの観光の評判を損なう恐れのある行為
- 検査官の職務執行の妨害、協力の拒否
本制度改正は、観光省が各地で開催した会議やワークショップを通じて、投資家、事業者、専門家との広範な協議を経て導入されたものだ。同省は、今回の改正が観光投資エコシステムの効率性の向上、法令順守投資家の支援や全ての訪問者に対する安全で高品質な観光体験の確保を目指す統合的な法規制枠組みの一環であると説明している。同省は全ての観光施設に対し、公式ウェブサイト
に掲載された改正後の規制を確認し、順守するよう呼びかけている。また、全国規模での検査キャンペーン継続し、違反者には法的処罰を実施する方針を強調している。
(林憲忠)
(サウジアラビア)
ビジネス短信 58037149fc9378fa




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