2026年の一般会計予算は前年比7%増で承認
(コロンビア)
ボゴタ発
2025年10月31日
コロンビアの上院と下院での度重なる議論の末、10月16日に2026年の一般会計予算が546兆9,000億ペソ(約21兆8,760億円、1ペソ=約0.04円)で承認された。これは当初提案されていた額より10兆ペソ少ないものの、2025年(511兆ペソ)と比べて7%の増加となる。注目すべきは、2025年の予算は史上初めて大統領令によって承認されたのに対し、今回は議会と政府の間で合意が得られた点である。ただしこの予算には、まだ議会で承認されていない税制改革による16兆3,000億ペソ規模の予算が含まれている。
承認された546兆9,000億ペソのうち、「運営費」が最も多く、358兆1,000億ペソが割り当てられている。次いで「国債費」に100兆5,000億ペソ、「投資的経費」に88兆4,000億ペソが配分されている。
分野別では、最も多くの予算が割り当てられたのは公的債務の償還・利払いで97兆1,000億ペソ、次いで教育に88兆2,000億ペソ、保健に78兆1,000億ペソ、防衛および警察に66兆7,000億ペソ、労働に56兆7,000億ペソが配分されている。一方、予算配分が最も少ない分野は、情報機関(1,780億ペソ)、科学・技術・イノベーション(3,800億ペソ)、スポーツ・レクリエーション(4,960億ペソ)、公務員雇用(6,610億ペソ)、統計情報(8,320億ペソ)となっている。
ヘルマン・アビラ大蔵・公債相は、「国の発展に不可欠な戦略を実現するために合意を築くことが可能であるという非常に重要な模範を示した。真剣かつ責任ある取り組みを行い、コロンビア国民に対して、政府の開発計画の完遂を保証する予算があると伝えることができる」とコメントしている。
一方、野党の一部の議員は、大統領府の予算が選挙期間中に増加していることに懸念を示している。カタリン・ミランダ議員は「エル・ティエンポ」紙のインタビューで、「平和基金は、メデジンでの麻薬密売人や準軍事組織との集会に資金を提供している。さらに同基金は『歴史的協定(Pacto Histórico)』の内部選挙(注)を推進するためにも使われている。われわれは、ペトロ大統領がこれらの集会で野党や国会を攻撃し、『歴史的協定』の候補者を支援しているのを頻繁に目にしている。これは完全に違法であり、選挙前のこの時期に非常に憂慮すべきことだ」と述べている。
同様に、上院第4委員会のエンリケ・カブラレス委員長は「この予算は、国が財政的な方向性を見失っていることを示している。わずか3年で予算は2022年と比べて200兆ペソ以上増加したが、その増加は投資にはつながっていない。資金の大部分は運営費に充てられており、官僚機構はますます高コスト化し、国家機構は成果を出していない」と指摘している。
(注)「歴史的協定(Pacto Histórico)」は左派政党連合。2026年の大統領選挙に向けて、2025年10月26日に統一候補の選定のため、内部選挙を実施した。
(アンドレス・ゴンザレス)
(コロンビア)
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