2024年の大統領選で敗れた候補、新政党を立ち上げ
(モザンビーク)
マプト発
2025年09月26日
モザンビークで2024年の大統領選挙に立候補し、ダニエル・チャポ現大統領に次ぐ票を獲得したベナンシオ・モンドラーネ氏は9月20日、自身が設立した政党「自由・自治的なモザンビークのための国民同盟(ANAMOLA)」の結党記念式典を開催した。モンドラーネ氏は大統領選当時、「モザンビーク発展のための楽観的な党(PODEMOS)」の後援を受けていたが、2025年2月に同党との連携を解消し、自身の政党結党に動くことを表明していた。モンドラーネ氏によると、ANAMOLAは8月14日に司法・憲法・宗教省から政党認可を受けた。結党式典では、党内規則の発表や承認に加え、2026年6月に第1回党大会を開催して、正式な党首(現在はモンドラーネ氏が暫定党首)を選出するという予定が発表された(9月23日付「オ・パイス」)。また、ANAMOLAは式典に合わせ、デジタルプラットフォーム上での党員登録を呼びかけ、同党発表によると、開設から24時間で2万6千人が登録した。
2025年1月のチャポ新政権発足(2025年1月23日記事参照)後、モンドラーネ氏は3月と5月にチャポ大統領との会談を実施し、9月には大統領への諮問機関の国家評議会メンバーに就任するなど、政治の表舞台での活動が目立っている。他方、2024年10月の総選挙後、不正選挙疑惑などに対してモンドラーネ氏が主導した抗議活動は約3カ月続き、同氏の支持者によるストライキや道路封鎖は経済にも大きな影響を及ぼした(2025年3月17日記事参照)。1月以降、抗議活動は沈静化しているが、モザンビークの選挙サイクルは5年で、2028年に地方自治体選挙、2029年に大統領・国会議員・州議会議員選挙が予定されている。日系企業を含む民間セクターは、選挙後の治安情勢悪化が再来する懸念を維持しており、今後のモンドラーネ氏とANAMOLAの動向が注目される。
(松永篤)
(モザンビーク)
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