第2四半期GDP成長率は前期比0.8%

(南アフリカ共和国)

ヨハネスブルク発

2025年09月19日

南アフリカ共和国統計局(Stats SA)は9月9日、2025年第2四半期(4~6月)の実質GDP成長率(季節調整済み、前期比)が0.8%と発表した。同統計局によれば、製造業、鉱業、貿易が堅調で、家計消費の増加と輸入の減少も成長に寄与した。

第2四半期の実質GDP成長率(前期比)を供給面である産業別にみると、10産業中8産業がプラス成長を記録するなど、幅広い分野での拡大が見られた。その中でも特に鉱業(3.7%増)、製造業(1.8%増)、卸・小売り・飲食業など(1.7%増)の伸びが顕著だった。鉱業はプラチナ・金・クロム鉱石の好調な業績が寄与し、製造業は自動車、石油、化学、ゴム・プラスチック部門が成長の主因となった。卸・小売り・飲食業部門では小売業、自動車販売業、宿泊業、飲食業がプラスに寄与した。農林水産業は第1四半期からの好調を維持し、園芸・畜産の活動増加を背景に2.5%成長した。一方、建設は住宅・非住宅建設の減少により、0.3%減だった。また、運輸・倉庫・通信は陸上運輸および支援サービスの活動低下により、0.8%減となった(添付資料表1参照)。

需要面では、家計消費の堅調さと輸入の鈍化がプラスに寄与した一方、総固定資本形成と輸出の減速が成長を押し下げた(添付資料表2参照)。

インベステック銀行エコノミストのララ・ホデス氏は、前期比1%を下回る成長率の結果について「国内経済の低迷を反映している」と指摘し、「特に物流面での課題が続き、最適な経済活動と輸出ポテンシャルを阻害している」と述べた。同氏はさらに、「生産コストの高さが同国の競争力に引き続き重くのしかかっている一方、米国による相互関税発動後の変化する世界貿易環境が、不確実性と成長懸念を高めている」と続けた。

(トラスト・ムブトゥンガイ)

(南アフリカ共和国)

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