ラジャスタン州ニムラナ工業団地の日系企業専用区画、分譲を終了

(インド)

ニューデリー発

2025年09月26日

インド西部で工業団地を運営するラジャスタン州産業開発・投資公社(RIICO)は2025年9月、2007年から分譲を開始(注)したニムラナ工業団地の日系企業専用区画の工業用区画について、分譲が終了したことを関連部門に通達した。

ニムラナ工業団地は、ラジャスタン州政府の日本からの投資誘致政策を支援することを目的として、RIICOとジェトロが協力覚書を締結し、日本企業専用工業団地として596エーカー(約240万平方メートル)を州政府が確保、開発し、ジェトロが入居支援を行ってきた。近年、デリー首都圏の工業団地価格が高騰している中でも、同区画は日系企業向けに特別に安価な価格で提供されていた。首都ニューデリーのインディラ・ガンディー国際空港から約120キロメートル南西側に位置し、日系企業の本社が集積するハリヤナ州に隣接するほか、ニューデリーからムンバイに至る国道8号線に面しているため、物流環境としても恵まれた場所にある。

2007年の開業から日系メーカー57社(建設中を含む)が進出済みで、1つの工業団地に集積する日系企業数はインド最大だ。これまでに累計で701億8,000万ルピー(約1,193億円、1ルピー=約1.7円)の投資や約3万人の雇用機会が創出されている。今般、インド政府の製造業振興策「メーク・イン・インディア」により現地生産への切り替えが求められる中、製造業の企業によるインド新規進出や既存製造業の企業による事業拡張投資が加速し、同区画の入居率が100%に達し、新規分譲が終了となった。

RIICOは、ニムラナ工業団地の日系企業専用区画の分譲が好調だったため、既に日系企業入居の新しい候補地として同工業団地から北東に約10キロメートル離れた場所にあるギロット工業団地を開発済みだ。ギロット工業団地にも日系企業専用地区が設けられており、今後の企業進出先として注目されている。

(注)土地の契約は、ラジャスタン州産業開発・投資公社(RIICO)と99年間の借地契約。

(淺羽英樹)

(インド)

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