ブラジル中銀、政策金利を2会合連続で15%に据え置き
(ブラジル)
サンパウロ発
2025年09月19日
ブラジル中央銀行は9月16~17日、金融政策委員会(Copom)を開催し、政策金利(Selic)を15%に据え置くことを決定した。市場の予測どおりだった。
Copomは声明で、「外部環境では米国の経済政策の影響により不確実性が高まっている。国内経済は、活動の鈍化が予想どおりに進む一方、労働市場は堅調さを維持している。インフレ率を目標に収束させるには、長期的な金融引き締め政策が必要」と説明した。
9月12日付の中銀週次レポート「フォーカス」(注1)によると、2025年の拡大消費者物価指数(IPCA、注2)上昇率予測は4.83%で、中銀のインフレ目標範囲(1.5~4.5%)を上回っている。
全国工業連盟(CNI)は9月17日、公式サイト上で「非常に高い金利では持続可能な経済成長は困難である。生産的投資の停滞や社会への悪影響が続く」と懸念を示した。一方、サンパウロ州商業連盟(Fecomercio SP)は9月18日付の公式サイトで、「サービス業のインフレ率は依然として高水準にある。財政面でもリスクが存在する。政府は歳出削減策を示していない。金利が上昇すると企業の負担も増すが、信頼できる財政政策がみられない限り、CopomがSelicを引き下げることは困難」として、今回の決定を支持した。
(注1)フォーカスは、中銀が国内100以上の金融機関を対象に行ったアンケートを集計し、予測などをまとめたもの。毎週金曜日に集計を行って平均値を算出し、翌週の月曜日に公表する。
(注2)ブラジルの代表的な物価指数。
(エルナニ・オダ)
(ブラジル)
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