シンガポールとエジプト、自由貿易協定の実現可能性検討に合意
(シンガポール、エジプト)
シンガポール発
2025年09月24日
シンガポール外務省(MFA)の発表(9月21日付MFA発表)によると、ターマン・シャンムガラトナム・シンガポール大統領がエジプト訪問期間中に、アブドゥルファッターハ・エルシーシ・エジプト大統領との間で、両国の相互補完的な強みと戦略的な立地条件を生かすため、両国間の自由貿易協定(FTA)の実現可能性を検討することが時宜を得たことに合意した。
シンガポールとエジプトの両政府は2004年2月、FTA交渉の開始に合意。2006年11月に包括的経済協力協定(CECA)の交渉を開始する合意書に署名し(2006年11月20日記事参照)、CECAの締結交渉が進められたが、交渉が停止していた。
米国S&Pグローバルの統計データベース「グローバル・トレード・アトラス」によると、シンガポールからエジプト向けの2024年の財輸出額は3億5,612万シンガポール・ドル(約409億5,380万円、Sドル、1Sドル=約115円)、シンガポールのエジプトからの2024年の財輸入額は1億2,363万Sドル。また、シンガポール統計局によると、シンガポールからエジプト向けの2023年のサービス輸出額は7億3,970万Sドル、シンガポールのエジプトからの2023年のサービス輸入額は5億6,300万Sドル。
7件の覚書が署名
MFAの発表によると、大統領は会談後に共同記者会見を開き、(1)海事分野での協力、(2)経済連携促進、(3)中小零細企業とスタートアップ振興分野での協力、(4)社会保障分野での将来の協力、(5)保健分野の協力、(6)農業協力、(7)政府の能力開発での協力の計7件の覚書(MOU)の署名に立ち会った(既出MFA発表付属資料参照)。
また、シンガポールとエジプトは2026年に外交関係樹立60周年を迎えることから、シャンムガラトナム大統領はエルシーシ大統領のシンガポール訪問を招請した。
(朝倉啓介)
(シンガポール、エジプト)
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