2025年上半期のGDP成長率は前年同期比5.6%、農牧業が反動増

(モンゴル)

北京発

2025年09月12日

モンゴル国家統計局は8月20日、2025年上半期(1~6月)の実質GDP(生産面からみた国内総生産。固定基準年方式で2015年の物価を基準としている)成長率の速報値を前年同期比5.6%と発表した。

国家統計局は、農牧業が2024年春の雪害により大きな被害を受けたこと(2024年5月29日記事参照)に対する反動増が表れ、前年同期比35.6%増に回復したこと、加えてサービス業が9.6%増と堅調だったことが成長率押し上げに影響したと説明した。実質GDP成長率5.6%の寄与度の内訳は、農牧業が3.6ポイント、工業・建設業が1.0ポイント、サービス業が0.7ポイント、鉱業が0.1ポイント、製品に対する純税(注1)が0.2ポイントだった。

2025年第2四半期(4~6月)の季節調整済み実質GDP成長率は、前期比1.6%(年率換算6.4%)だった。また、2025年上半期(1~6月)の名目GDPは前年同期比8.8%増の40兆2,623億トゥグルク(約1兆6,508億円、1トゥグルク=約0.041円)となった。

支出面からみた実質GDP成長率の速報値(5.66%、注2)に対する需要項目別の寄与度をみると、最終消費支出が6.9ポイント(うち民間最終消費支出が7.8ポイント、政府最終消費支出がマイナス0.9ポイント)、総資本形成が3.5ポイント(うち総固定資本形成が6.5ポイント、在庫品増加がマイナス3.0ポイント)、純輸出がマイナス4.7ポイント(うち財・サービスの輸出がマイナス3.0ポイント、財・サービスの輸入が1.7ポイント)となった。純輸出がマイナスとなった要因については、財・サービスの輸出が前年同期比4.5%減の9兆トゥグルク、財・サービスの輸入が1.5%増の16兆トゥグルクになったことが挙げられる。

(注1)「製品に対する純税」とは、輸入品に課せられる税・関税から総資本形成に係る付加価値税を控除した部分を指す。

(注2)GDP三面等価の原則から生産面と支出面で最終的には(確定値になった時点で)一致するが、速報値の時点では若干のずれが生じることがある。

(藤井一範)

(モンゴル)

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