マレーシア、9月から食品のトランス脂肪酸規制を開始

(マレーシア)

農林水産食品部市場開拓課

2025年09月16日

マレーシア保健省は2025年9月1日、「1985年食品規則(Food Regulations 1985)」の改正を施行した。今回の改正により、動物由来の場合を除き、総脂肪100グラムあたり2グラム以上のトランス脂肪酸を含む食品の輸入、調理、広告、販売が禁じられた。

保健省の公表内容外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、本規則に別段の規定がある場合を除き、最終消費者向けまたは小売り向けに、総脂肪100グラムあたり2グラム以上のトランス脂肪酸を含む食品の輸入、調理、広告、販売を行ってはならない。対象は油脂の加工由来のトランス脂肪酸で、動物由来の自然発生したものは対象外となる。輸入品も対象に含まれるため、日本からマレーシアへの食品輸出に際しても留意が必要だ。

トランス脂肪酸の過剰摂取は生活習慣病につながるリスクが指摘されており、世界保健機関(WHO)が2023年に公表した「飽和脂肪酸およびトランス脂肪酸の摂取に関するガイドライン外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」では、成人および子供のトランス脂肪酸の摂取量を、総エネルギー摂取量の1%まで減らすよう強く推奨した。また、WHOは食品事業者に対しても、食品の製造方法を変更し、油脂の加工由来のトランス脂肪酸を、飽和脂肪酸で代替することなく低減する(2023年までに、食品中の脂質100グラムあたりのトランス脂肪酸を2グラム未満とする)よう呼びかける声明外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますも発表していた(参考:農林水産省「トランス脂肪酸に関する国際機関の取り組み外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」)。こうした動きを受け、近年、各国ではトランス脂肪酸や、トランス脂肪酸の原因となる部分水素添加油脂に関する規制が強化されており、今回のマレーシアでの措置もWHOの基準に準拠したものとなる。

トランス脂肪酸に関する規制を含む、主要な国・地域別の輸入規制については、ジェトロ「日本からの輸出に関する制度」も参照されたい。

(熊谷佐和子)

(マレーシア)

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