VW傘下のスカウト・モーターズ、米サウスカロライナ州に3億ドルの追加投資発表
(米国、ドイツ)
アトランタ発
2025年09月22日
ドイツ自動車大手フォルクスワーゲン(VW)傘下の米国スカウト・モーターズ(本社:バージニア州)は9月18日、サウスカロライナ(SC)州都コロンビアの北部に位置するブライスウッドで建設中の電気自動車(EV)製造工場(2023年3月14日記事参照)の敷地内にサプライヤーパークを建設するため、3億ドルの追加投資を行うと発表した。
サプライヤーパークは、スカウトの生産施設に隣接する約81万平方メートルの敷地に整備する。最終的な車両組み立ての工程管理を行う「ジャスト・イン・タイム」施設、大量生産に対応したバッテリー組み立て棟、車両の付属品の取り付けや装備を支援する付属品棟の3つの主要センターにわたる約21万平方メートルの専門的な製造・物流スペースを設置する。拠点構築に加えて、スカウトはサプライヤーとの契約の最終調整を行っており、同社の試算によると、サプライヤーと既に締結した契約は3億6,800万ドルの投資に相当し、SC州で1,000人以上の新たな雇用を創出すると見込まれている。
スカウトは2023年3月に発表したEV製造工場建設に関しては、生産開始を2026年末としていたが、今回の発表では2027年の生産開始を目指すとした。新工場では次世代小型トラック(ピックアップトラック)と、スポーツ用多目的車(SUV)を生産する予定としている。
SC州のヘンリー・マクマスター知事(共和党)は、スカウトが最初の投資を発表したときから今後の追加投資などを期待していたと述べ、今回の発表は同州の持続的な繁栄や州民への経済的機会の提供に対する同社のコミットメントをあらためて示すものとして、高く評価した。SC州にはドイツなど外国資本の企業を中心に自動車産業が集積しており、スカウトをはじめ、EV関連の投資も集まっている(2025年8月21日付地域・分析レポート参照)。
(檀野浩規)
(米国、ドイツ)
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