ISOとGHGプロトコル、GHG排出量基準統一のための戦略的提携を発表

(スイス、世界)

ジュネーブ発

2025年09月12日

国際標準化機構(ISO)と温室効果ガス(GHG)プロトコルは9月9日、既存のGHG規格のポートフォリオを調和させ、GHG排出量の算定と報告に関する新たな規格を共同で開発するためのパートナーシップを発表した(プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。GHGプロトコルは、世界資源研究所(WRI)と持続可能な開発のための世界経済人会議(WBCSD)の共同イニシアチブだ。

ISOとGHGプロトコルはパートナーシップ合意に基づき、主要なGHG規格を統合し、調和のとれた共同ブランドの国際規格を策定する。これには、GHGに関するISO規格の総称のISO 1406X規格群に加え、GHGプロトコルの企業算定・報告、スコープ2(注1)、スコープ3(注2)規格が含まれる。

また、炭素会計活動全般にわたる一貫したアプローチが不可欠なことから、両組織は、脱炭素化の意思決定の指針として、バリューチェーン全体からより詳細なデータへのアクセスを求める企業の増加を反映し、共同で製品カーボンフットプリント規格の策定に取り組むとしている。

ISO規格とGHGプロトコル規格はどちらも、世界中の組織に広く採用されている。ISO 1406X規格ファミリーは、政府の立法や規制に使用されており、多くの業界のGHG排出量の報告、検証の枠組みの基盤となっている。また、GHGプロトコル規格は、主要なサステナビリティーや情報開示イニシアチブに用いられている。

ISO 1406XシリーズとGHGプロトコル規格群が統合されることで、技術的な厳密さ、政策的妥当性、実用性が1つの規格に統合されることになる。これにより、両組織はそれぞれの影響力と信頼性を活用し、世界的な普及を加速させ、実質的な排出削減の推進につなげることを目指している。

(注1)他社から供給された電気・熱・蒸気の使用に伴う間接排出

(注2)スコープ2以外の間接排出(事業者の活動に関連する他社の排出)

(佐藤恭子)

(スイス、世界)

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