10月29日にタンザニアで総選挙、現職が優位

(タンザニア)

ナイロビ発

2025年09月25日

タンザニアで10月29日、5年に1度の総選挙が行われる。大統領、国会議員、地方議会議員を選出するもので、島しょ部のザンジバルを含む全土で行われる。タンザニアの国会は一院制で、2020年10月に行われた前回の総選挙では、与党・革命党(CCM)のジョン・マグフリ前大統領が得票率84.4%で再選した。しかし、2021年3月にマグフリ前大統領が病死し、憲法の規定に従い、当時副大統領だったサミア・スルフ・ハッサン氏が女性初の大統領に就任した。タンザニアは連邦制で、大陸部(タンガニーカ)と島しょ部(ザンジバル島)で構成され、大統領、副大統領を分け合うことが憲法に規定されている。人口規模の少ない島しょ部の出身であるサミア大統領は就任後も着実に実権を固めてきた。

2025年4月に、前回の選挙で13%を獲得した主要な野党である民主開発党(CHADEMA)の指導者トゥンドゥ・アンティパス・リッス氏が選挙妨害で投獄され、タンザニア国家選挙委員会は、CHADEMAの参加資格を認めない判断をした。また、9月15日には、国家選挙委員会は「変革と透明性のための同盟(ACT-愛国者党)」の大統領候補であるルハガ・ジョエルソン・ムピナ氏の指名取り消しを発表した。これにより、主要な野党候補が排除され、現職のサミア大統領の優位が固まった。

総選挙に向けて、在タンザニア日本大使館は9月17日付で総選挙選挙運動期間中における写真・動画撮影に関する注意喚起を外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます発し、選挙運動や集会が行われている場所には近づかないなどの注意を呼びかけている。

(佐藤丈治)

(タンザニア)

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