7月の貿易赤字は273億5,000万ドルに拡大、輸出増も輸入の伸びが上回る
(インド)
ムンバイ発
2025年08月20日
インド商工省(MoCI)が8月14日に発表した「貿易統計(速報値)」によると、2025年7月の貿易収支(サービスを除く)は約273億5,000万ドルの赤字だった(添付資料図参照)。原油や電子製品などの輸入が増加したことにより、赤字幅は6月の187億7,000万ドルから大幅に拡大した。輸出額は372億3,778万ドルで前年同月比7.3%増加、輸入額は645億8,702万ドルで8.6%増加した。
輸出額の内訳をみると、金額の大きいエンジニアリング製品が104億2,722万ドル(前年同月比13.8%増)、電子製品37億6,529万ドル(33.9%増)、医薬品26億6,224万ドル(14.1%増)、有機・無機化学製品24億6,701万ドル(7.2%増)、宝石類23億8,960万ドル(29.0%増)などが増加した。一方、石油製品は43億4,127万ドル(25.1%減)と減少した。
輸入に関しては、石炭・コークスなどが23億6,140万ドル(前年同月比20.9%減)と減少したものの、輸入額全体の約4分の1を占める石油製品・原油が155億7,528万ドル(7.5%増)で増加したほか、電子製品98億3,739万ドル(12.8%増)、電気・一般機械53億6,324万ドル(20.0%増)、金39億7,392万ドル(13.8%増)、輸送機器28億198万ドル(2.3%増)、有機・無機化学製品25億3,211万ドル(0.5%増)など、多くの品目で増加した。
今後の輸出動向について、インド輸出入銀行は、2025年7~9月期(2025年度第2四半期)の輸出額を1,081億ドルと予測し、前年同期比で緩やかな成長を見込んでいる。非石油品輸出は921億ドル、石油・宝石類を除く輸出は827億ドルとなり、2.3%増加の見通しだ。また、「製造業活動の堅調さや稼働率の上昇、金融環境の支援効果、通商交渉の進展が輸出を下支えする」と分析する一方、世界的な貿易政策の不透明さや地政学的緊張といったリスク要因を指摘している(「ミント」紙8月14日)。
(篠田正大)
(インド)
ビジネス短信 f62dcf3399ff906e