Googleがガーナに「AIコミュニティセンター」開設、総額3,700万ドルの大型投資

(ガーナ)

アクラ発

2025年08月05日

グーグル(Google)は7月24日、アフリカにおける人工知能(AI)開発の加速を目的にガーナのアクラに「AIコミュニティセンター」を開設した。AIコミュニティセンターの設立に加え、教育支援など関連プログラムを含めた総額3,700万ドルの投資となる。

AIコミュニティセンターは、2018年に設立されたGoogle初のアフリカAI研究所「Accra AI Lab」に続くもので、研究者、スタートアップ企業、学生、政府関係者を対象にAI技術の教育、研究、応用を支援する拠点となる。医療、農業、教育などの分野でAIを活用し、地域課題、社会課題の解決を図るスタートアップや研究者を支援することで、アフリカの技術革新を促進することを目指している。特に、低リソース環境でも活用可能なAI技術や、アフリカ諸国の多言語対応に向けた自然言語処理(NLP)が重点分野とされている。また、Googleは、アフリカの若者に対するデジタルスキル教育にも注力しており、「AI Essentials」や「Prompting Essentials」などのキャリア認定証プログラムを通して、10万人に奨学金を提供する予定だ。

さらにAIコミュニティセンターは、ガーナ、アフリカの人材育成と国際的なAI研究ネットワークの構築を目指している。Google幹部は「アフリカの可能性は非常に大きく、現地課題のAIによる解決は世界全体にとっても価値がある」と述べ、地域社会との連携強化を表明した。

開所式には、サミュエル・ナーテイ・ジョージ通信・デジタル技術・イノベーション担当相が出席し「このセンターは技術の力を活用するという共通のビジョンの象徴だ」と述べ、ガーナがアフリカのAI、デジタル革新を牽引する意思を強調した。

(中川翼)

(ガーナ)

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