英BP、ブラジルの深海で大型油田を発見、今後の鉱区入札への期待高まる

(ブラジル、英国)

サンパウロ発

2025年08月08日

英国の石油大手BPは8月4日、ブラジルのリオデジャネイロ州沖約400キロメートルに位置するサントス海盆のブメランギ鉱区の深海部、プレソルトと呼ばれる岩塩層下で、広さ300平方キロメートル超にのぼる石油・天然ガス田を発見したと発表した。BPの生産・事業担当執行副社長を務めるゴードン・ビレル氏は同社公式リリースで、「BPが過去25年で発見した油田のうち、最大規模のものだ」と述べた。BPは今後の開発可能性を評価するため、追加調査を実施する方針だ。

ブラジル鉱山エネルギー省は、公式サイト(8月4日付)で「この発見により、投資や雇用の拡大につながり、歳入(注1)や納税の増加が期待される」と歓迎の意を示した。ブラジル石油ガス協会(IBP)のロベルト・アルデンギー会長は、現地経済誌「エザーメ」(8月5日付)のインタビューで、「国家石油・天然ガス・バイオ燃料監督庁(ANP)は10月にプレソルトに位置する12鉱区の開発権利入札を予定している。今回の発見により、入札への関心が必ず高まるだろう。競争が激化することも期待される」と述べた(注2)。なお、今回発見した石油・天然ガス田はプレソルト構造であるため、既存技術での開発が可能。だが、今後の探査結果次第では、商業的な生産開始には6~8年ほどかかる見通しだ。

また、「ロイター」(8月5日付)は、今回の油田が従来の主要鉱区から離れた未開発地域で発見された点を指摘した。IBPのアルデンギー会長は「エザーメ」(8月5日付)のインタビューで、「今回の発見はプレソルトの片隅で行われた。これは、今後数年も地質学的な面でプレソルトの利点が続き、新たな発見の可能性もあるということを示している」と強調した。ブメランギ鉱区は既存の主要油田から離れた場所に位置しているため、リオデジャネイロ州沖における新たな地質学的可能性を示している。

(注1)石油・ガス事業における政府への支払いには、ロイヤルティー(地下資源の所有者が生産物に対して留保する持ち分)などが含まれる。

(注2)ANPによる10月の入札では、13鉱区が対象となるが、うち1鉱区の大部分はプレソルト外に位置する。

(エルナニ・オダ)

(ブラジル、英国)

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