ルーマニア、税制改正で財政赤字縮小へ

(ルーマニア、EU)

ブカレスト発

2025年08月04日

ルーマニア政府は7月25日、付加価値税(VAT)制度の改正を盛り込んだ法律第141号/2025を官報第699号に公示した外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます。改正法は2025年8月1日から施行した。標準税率が19%から21%に引き上げられ、軽減税率(飲食物や薬などの9%や、書籍、宿泊施設やレストラン利用料などの5%)は11%の単一軽減税率に統合される。また、2026年1月1日施行予定の配当税の10%から16%への引き上げや、社会保険制度の一部改定も盛り込まれた。

これらの措置は、ルーマニア政府が目指す財政赤字是正の一環だ。政府は増税や公共支出の削減などで、2025年の財政赤字をGDP比0.56%にあたる約21億ユーロ削減する措置を示している(「ルーマニア・インサイダー」7月7日)。欧州委員会が5月に発表した経済予測では、ルーマニアの2024年の財政赤字は公務員給与と年金の大幅な増加によりGDP比9.3%と、EU加盟国で最高水準であるとし、追加措置を講じない場合、2025年の財政赤字はGDP比8.6%となると予測していた。さらに同委員会は6月、2025年初に出された理事会勧告に対して、ルーマニアが財政赤字縮小のための有効な対策を取っていないと指摘していた。

(本吉美友)

(ルーマニア、EU)

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