生産設備など資本財の輸入関税引き下げ

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2025年08月12日

アルゼンチン政府は7月29日、政令513/2025号外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを公布し、資本財の輸入関税を引き下げた。

メルコスール加盟国のうち、アルゼンチン、ブラジル、パラグアイ、ウルグアイの4カ国は対外共通関税(AEC)を設定しているが、共同市場理事会(CMC)決定8/2021号PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)により、資本財(BK)については、AECと異なる税率を設定することが各加盟国に認められている。アルゼンチン政府は今回の政令により、メルコスール対外共通関税分類番号(NCM)8桁ベースで29品目の資本財の輸入関税率を引き下げたとしているが、BKの対象リストから除外された品目も複数ある。政府によると、金属加工産業向けの機械(レーザー切断機、折り曲げ機、プレス機)、ガス浄化装置、石油産業で使用するパイプ洗浄装置、エレベーター、産業用ファン、アイスクリーム製造用の産業機械、パン焼き用オーブン、散髪や毛刈り機、遠心ポンプなどの関税がこれまでの20~35%から、AECの12.6%まで下がった。最新のBK対象品目は政令の付属書IIを参照。

また、CMC決定39/2011号PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)が国際経済情勢に起因する貿易不均衡に対応することを目的に各加盟国に認めている一時的にAECを上回る税率を暫定的に設定できる制度の対象品目も見直し、NCM8桁ベースで1品目(NCM8450.20.20:1回の洗濯容量が乾燥した繊維製品の重量で10キログラムを超える洗濯機)を追加、5品目〔NCM2208.30.20:ウイスキー、8711.20.10:排気量125cc以下のオートバイで半組立品(SKD)または完全組立品(CBU)、:排気量125cc超のオートバイで半組立品(SKD)または完全組立品(CBU)、8711.30.00:排気量が251cc~500ccのピストン式エンジン搭載のオートバイで半組立品(SKD)または完全組立品(CBU)、9504.50.00:ビデオゲーム機器とその部品〕を除外した。これら5品目は関税率がAECの税率まで下がる。最新の暫定税率対象品目は政令の付属書IIIを参照。

ただし、排気量125cc以下のオートバイは、特定の条件を満たすことで、AECよりも低い税率が適用される例外品目の対象品目にも指定されている。最新の例外品目リストは政令の付属書Iを参照。

政府は、今回の資本財の関税率引き下げにより、国内企業がより手頃な価格で資本財を入手できるようになり、生産性の向上が期待されるとしている。

(西澤裕介)

(アルゼンチン)

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