サウジアラビア、エネルギー分野のスタートアップ支援プログラムを設立

(サウジアラビア)

リヤド発

2025年08月04日

サウジアラビアのエネルギー省は7月24日、アブドゥルアジーズ・ビン・サルマン・エネルギー相とアブドゥッラー・アルスワハ通信情報技術相の臨席の下、ザ・ガレージ(注)と共同で、ベンチャー企業支援の一環として「タカテック・アクセラレーター」プログラムの立ち上げを発表した。

本プログラムは、エネルギー分野におけるイノベーションの推進、経済成長の促進、環境の持続可能性の向上、雇用機会の創出を目的とし、経済の多様化や技術の現地化、ローカルコンテンツの開発に貢献する起業家精神旺盛なベンチャー企業を支援する。同プログラムは、エネルギー関連企業、大学、専門研究機関と連携して開発されており、スタートアップ、起業家、政府機関の間での戦略的パートナーシップを強化するほか、インパクトのあるイニシアチブとなるよう設計されている。また、技術およびテクノロジー面でのメンターシップを含む包括的な支援モデルを提供し、スタートアップ企業と投資家とのマッチングを促進することで、エネルギー分野におけるイノベーションと民間セクターの成長を後押しすることを目指している。

支援対象となるスタートアップ企業は次のとおり。

  1. エネルギー効率の向上、コスト削減、地域密着型エネルギーソリューションの開発および雇用機会の創出を通じて、ローカルコンテンツと経済の多様化を推進する企業
  2. サウジアラビアを新興エネルギー技術のハブとして位置づけ、世界のエネルギー市場における同国のリーダーシップを強化する企業
  3. 温室効果ガス排出量削減、環境の持続可能性、クリーンエネルギー、関連技術に注力する企業
  4. エネルギーインフラの強化やサプライチェーンのレジリエンス向上を通じて、エネルギー安全保障と供給信頼性に貢献する企業

今後3年間で3つのスタートアップ企業群(各20社)の支援を目指している。実施プロセスは、「探索と選定」「加速支援」「パイロットプロジェクトの実施」「投資ラウンド」の4つの主要フェーズで構成され、期間は6〜12カ月を想定。なお、外国企業が応募対象となるかどうかについては、現時点では公式な発表は行われていない。

(注)リヤドを拠点に活動するスタートアップ・アクセラレーター兼イノベーションハブ。国内外の起業家・スタートアップに対して、成長支援・資金調達・メンター提供・ビジネス開発支援などを展開している。

(林憲忠)

(サウジアラビア)

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