ステランティス、部品流通センター建設で米ジョージア州での4,100万ドル投資を発表

ステランティス（本社：オランダ・アムステルダム）は8月27日、4,100万ドルを投じて、米国ジョージア州フォーサイス郡に純正部品・アクセサリー「モパー」（注）の流通センターを建設すると発表した。

新施設は、約42万2,000平方フィート（約3万9,200平方メートル）の広さで、同州最大都市アトランタから97キロほど南に位置し、米南東部全域でクライスラーやダッジ、ジープ、ラム、アルファロメオ、フィアットの各ブランドの販売店や顧客への部品供給を担う予定だ。同施設には、ノルウェーのオートストアが開発する自動倉庫システムを導入し、66台のロボットが高密度に配置されたコンテナ群から部品を取り出し、従業員が最終出荷準備を行う加工ステーションに搬送することで、保管スペースの削減とともに、処理速度や在庫管理精度などの向上を図る。

新施設では新たに最大90人を雇用する見込みで、この従業員は全米自動車労働組合（UAW）に加盟する予定だ。モパー・ノースアメリカのダレン・ブラッドショー上級副社長は、今回の投資はモパーの長期成長戦略と従業員をサポートする能力への重要な投資で、UAWに代表される従業員に対し、販売店や顧客に卓越したサービスを提供するために必要なツール、技術、環境を提供するものだと述べた。ただし、新施設建設はジョージア州にとって歓迎すべき投資の一方、自動化に大きく依存した投資のため、投資金額に対して新規雇用数が控えめとの指摘もある（「オーダンシー」8月27日）。

ステランティスは2025年4月、6,400万ドルを投じたニューヨーク州イーストフィッシュキルの部品流通センター開業を発表したほか、7月には3億8,800万ドルを投じて、デトロイト都市圏に同社史上最大規模の部品流通センターを建設すると発表した。今回のジョージア州への投資も含め、合計約5億ドル規模の投資により、北米全域でモパー部品の供給ネットワーク強化に努めている。

（注）ステランティスの純正部品と正規アクセサリーのグローバル名称で、「モーター」と「パーツ」を組み合わせたもの。

（檀野浩規）