タイ工業連盟、通年の自動車生産見通しを145万台に下方修正
(タイ)
バンコク発
2025年08月05日
タイ工業連盟(FTI)は7月24日、2025年6月の自動車生産台数が前年同月比12.0%増の13万223台だったと発表した(添付資料表参照)。今回の発表によると、6月の部門別では、乗用車が前年同月比18.6%増の5万1,019台、開放式の荷台がある小型貨物自動車・ピックアップトラックなどの商用車が8.1%増の7万9,204台だった。自動車全体の生産台数のうち、輸出向けは65.2%を占め、3.9%増の8万4,918台となった。一方、国内販売向けは31.2%増の4万5,305台と大幅に増加した。
2025年上半期累計の自動車生産台数は、前年同期比4.8%減の72万4,715台だった。部門別では、乗用車が6.6%減の26万4,668台、ピックアップトラックなどの商用車が3.8%減の46万47台となった。また、輸出向けは8.0%減の47万5,013台だったのに対し、国内販売向けは1.9%増の24万9,702台だった。上半期実績を踏まえ、FTIでは2025年通年の生産見通しを期初の150万台から145万台に5万台の下方修正をした。国内向けは期初の50万台を据え置いたが、輸出向けを期初の100万台から95万台に引き下げた。
国内販売台数は、6月は前年同月比5.1%増の5万79台で、3カ月連続の増加となったが、上半期累計は前年同期比1.7%減の30万2,694台だった。
企業動向をみると、中国メーカー(注)は、2025年に入っても販売攻勢を強めており、上半期累計の乗用車販売シェアは2024年通年の18.8%から22.0%と、3.2ポイント上昇した。一方、日本メーカーのシェアは、上半期累計では2024年通年の64.8%から61.5%と、3.3ポイント下がっている(添付資料図1参照)。
商用車販売シェアでも、2025年上半期累計の中国メーカーは、2024年通年の7.1%から12.2%に、5.1ポイント上がっている。他方、日本メーカーのシェアは、上半期累計で2024年通年の84.4%から76.4%と8.0ポイント下がっている(添付資料図2参照)。
一方、商用車のうち、1トン・ピックアップ車(PPV : Pick-up Passenger Vehicleは含まず)の日本メーカーの2025年上半期累計シェアは、2024年通年の91.5%から91.1%と微減にとどまり、引き続き日本メーカーの独壇場となっている(添付資料図3参照)。
自動車全体の総販売シェアでは、中国メーカーの2025年上半期累計は、2024年通年の11.6%から16.2%に、4.6ポイント上がっている。日本メーカーの上半期累計は、2024年通年の76.7%から70.6%に、6.1ポイント下がっている(添付資料図4参照)。
6月の完成車の輸出台数は前年同月比1.1%減の8万8,085台、輸出額は9.0%減の約574億バーツ(約2,640億円、1バーツ=約4.6円)となった。完成車とエンジン、部品、スペアパーツを含む輸出額は、5.8%減の約793億バーツだった。上半期累計では、完成車の輸出台数が前年同期比11.5%減の45万9,357台、輸出額は13.5%減の約3,144億バーツとなった。完成車とエンジン、部品、スペアパーツを含む輸出額は、9.2%減の約4,412億バーツだった。
(注)中国企業には、BYDや上海汽車(MG)、長安汽車(CHANGAN)、長城汽車(GWM)などが含まれる。
(高谷浩一、チャナットパット・スクマ)
(タイ)
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