ベトナム、中国製熱間圧延コイルへのAD税適用を決定

ベトナム商工省は7月4日、決定1959号（1959/QD-BCT）を発行し、中国からの熱間圧延コイル（HRC）に対し、アンチダンピング税（AD）の適用を決定した。税率は23.1～27.83％で、7月6日から発効し、適用期間は発効日から5年間だ。AD適用の対象製品は厚さ1.2～25.4ミリメートル（mm）、板幅1,880mm以下の鋼材で、具体的には次の27種類のHSコードが該当する。

• 7208.25.00、7208.26.00、7208.27.19、7208.27.99、7208.36.00、7208.37.00、7208.38.00、7208.39.20、7208.39.40、7208.39.90、7208.51.00、7208.52.00、7208.53.00、7208.54.90、7208.90.90、7211.14.15、7211.14.16、7211.14.19、7211.19.13、7211.19.19、7211.90.12、7211.90.19、7225.30.90、7225.40.90、7225.99.90、7226.91.10、7226.91.90

商工省は2025年2月に決定460号（460／QD-BCT）を発行し、3月8日から120日間、中国から輸入する板幅1,880mm以下のHRC製品に、19.38～27.83％のAD適用を決定していた。ベトナム当局がAD調査を開始して以降、中国からの板幅1,880mm超の鋼材輸入が増加する傾向にある（2025年6月11日記事参照）。現地メディアがベトナム税関局から入手した情報によると、板幅1,880mm超のHRCの中国からの輸入は2025年上期（1～6月）で65万トンで、前年同期比15倍に達した。このうち、板幅2,000mmのHRCは2025年上期の輸入の74％を占めた（政府電子ポータルサイト7月16日）。

商工省によると、広幅の鋼材輸入はAD対象の製品と技術的特性、使用目的、流通経路に実質的な違いはなく、AD対象の鋼材と大きく変わらないとみている。その輸入行為は政令10/2018/ND-CPの第73条、第78条、政令86/2025/ND-CPの規定に違反しており、商工省は税関局に対し、1,880mmを超えるHRCの鋼材輸入に対する監視と厳格な検査を強化し、不正確な申告や貿易救済措置の回避行為を防ぐよう要請した。

（新田和葉、ティエン・グエン）