モロッコ、ロシアとの農産物貿易が拡大

(モロッコ、ロシア)

ラバト発

2025年07月14日

モロッコの主食の小麦について、モロッコ為替局によると、2023年の輸入額は前年比25.3%減の193億5,700万ディルハム(約3,174億5,480万円、1ディルハム=約16.4円、構成比2.7%)だった。モロッコは小麦調達先の多角化を図っており、ロシアからの輸入が増えている。ロシア連邦動植物検疫監督局(ロスセリホズナドゾル)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、2025年1月1日から3月9日までのロシアからモロッコへの小麦輸出量は前年同期比で2.3倍となり、12万4,000トンに達している。

ロシアからの農産物輸入は小麦に限らない。モロッコは2025年1月から4月までの間に、ロシアから50万3,000トンの菜種油と、8万5,000トンの油糧種子と油脂を輸入した。2024年には同国はロシア原産油かすの最大の輸入国となり、ヒマワリ油かすの輸入量では上位10位、菜種油かすでは上位5位入りした(6月10日付HESPRESS)。

モロッコとロシア間のこうした農産物貿易は今後も拡大する可能性がある。ロシア連邦農業輸出センター(アグロエクスポート)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、2024年にロシアはモロッコに約2億8,000万ドル相当の農産物を輸出した。2025年にはモロッコへのロシア農産物の潜在的輸出供給額は3億5,000万ドルに達する可能性があると推定されている。

なお、モロッコの対ロシア貿易全体をみると、2023年には輸出が9億9,800万ディルハム(構成比0.2%)、輸入が同90億7,600万ディルハム(同1.3%)となっている。

(和泉浩之、スカイナ・マルシル)

(モロッコ、ロシア)

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