ADB経済見通し、2025年度のインドGDP成長率を6.5%に下方修正

(インド、南西アジア)

調査部アジア大洋州課

2025年07月25日

アジア開発銀行(ADB)は7月23日、「アジア経済見通し2025年7月版外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を公表し、南アジア(注1)の2025年実質GDP成長率(経済成長率)を前年比5.9%と発表した。米国の関税政策に起因する世界貿易の不確実性を背景に、前回予測から0.1ポイント引き下げたかたちだ。

インドについても、見通しを引き下げている。インドの2025年度(2025年4月~2026年3月、注2)の経済成長率は前年度比6.5%と、前回から0.2ポイント引き下げた。特に米国の追加関税によってインドからの輸出に直接的な影響が出る可能性を示した上で、政策面での不安定さが投資の流入にも影響を及ぼすとした。他方で、インド国内の経済活動は引き続き堅調だ。特にサービス業や農業が経済成長のドライバーとなっており、とりわけ農業については、モンスーン期の降雨が例年以上と予想されるため期待が高い。中央政府の財政状況も強固で、財政赤字削減に向けた目標の達成に近づいているとした。なお、2026年度の成長見通しについては、6.7%を見込んでいる。

(注1)南アジア地域:アフガニスタン、バングラデシュ、ブータン、インド、モルディブ、ネパール、パキスタン、スリランカ。

(注2)南アジア地域は暦年、インドは年度をベースに算出されている。

(深津佑野)

(インド、南西アジア)

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