エチオピア国立銀行、外資銀行ライセンス要件の詳細を発表
(エチオピア)
アディスアベバ発
2025年07月02日
エチオピア国立銀行(NBE、中央銀行)は6月25日に、外国銀行のライセンス取得に関する詳細指針「SBB/94/2025」を発効した。同指針は、2024年12月に議会が可決した新銀行業務法の実施細則として(2025年2月3日記事参照)、外資銀行参入の具体的要件を初めて規定した。
外資銀行子会社の設立には、最低資本金50億エチオピア・ブル(約53億円、ETB、1ETB=約1.06円)が必要で、外資銀行支店も同額の支店資本が求められる。外資の持ち分は49%以内に制限され、外資銀行子会社の取締役の3分の1以上はエチオピア国籍者でなければならない。駐在員事務所については、年間運営費をカバーする最低10万ドルの現金預金が義務付けられた。申請から許可まで90日以内に審査を完了し、ライセンス取得から12カ月以内の営業開始が条件となる。
注目すべきは厳格なデータ管理要件で、顧客データを含む全ての銀行データをエチオピア国内で保管・処理することを義務化し、顧客データ以外の外国への移転は事前にNBEの承認が必要としている。外資銀行の銀行免許申請には調査費2,500ドル、ライセンス費15万ドルが必要で、駐在員事務所は調査費500ドル、ライセンス費1,500ドルとなる。
NBEは「外資参入による競争力のある銀行セクターの構築が、エチオピアのマクロ経済安定と成長に不可欠」としている。なお、ケニア最大手のKCBグループが2025年6月にエチオピア国立銀行と会談し、新法の下での市場参入を検討している、と現地紙が報じている。
(石川晶一)
(エチオピア)
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