ダイムラー・トラック、セネガルで車両組立工場設立へ

(セネガル、ドイツ)

アビジャン発

2025年07月16日

ドイツの商用車大手ダイムラー・トラックは7月2日、セネガル政府およびセネガルのグローバル・トラック・システム(GTS)と共に、同国でのトラック組立事業に関する基本合意書に署名した。この事業について、プレスリリースでは「セネガル政府が推進する包括的な産業政策の一環で、西アフリカにおける自動車の現地生産体制の確立に向けた画期的な取り組みだ」と発表した。同社は、メルセデス・ベンツのトラックを完全ノックダウン(CKD)方式で組み立て、セネガル国防省や消防・警察車両、ごみ収集車、建設や物流・運輸セクター向けに2026年の製造開始・納入を予定している。なお、現地報道によると、組立工場はダカール近郊のジャムニャジョに設立される予定だ。

ダイムラー・トラックは、組立工場の設立を支援し、セネガルで車両部品セットの唯一の供給元となる。セネガル政府とGTSは、この組立事業のため合弁会社を設立した。政府は、財政支援に加え、工場用地の提供や税制・関税の優遇、現地人材育成への支援を行う。また、ドイツ外務省もこのプロジェクトを支援している。

ダイムラー・トラック中東アフリカのマイケル・ディーツ最高経営責任者(CEO)は、今回の合意は同社の西アフリカへの長期的なコミットメントを示すもので、組立工場を通じて雇用創出と技術移転を行い、同地域における経済価値の創造に貢献することができると述べた。

なお、現地報道によると、セネガルはこれまで、軍用トラックを全面的に輸入していた。

現地報道セネニュースによると、ダイムラー・トラックは、この工場を西アフリカ諸国への輸出拠点にすることを目指しており、セネガルは同地域における軍用トラック組み立てのパイオニアとしての地位を確立したい意向だ。

セネガル政府とセネガル軍用車両工業(ISEVEM)は、同国中部のジュルベル州バケに軍用戦術車両の組立工場を設立することを発表している。報道によると、セリニュ・ゲイェ・ディオプ産業・商工相は、両工場が補完し合うことでセネガルの地域産業化戦略を強化し、強固な防衛エコシステムの構築を促進すると述べた。

(長屋幸一郎、橘欣子)

(セネガル、ドイツ)

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