中国西部エリア最大の高速鉄道ターミナル、重慶東駅が開業

(中国)

成都発

2025年07月15日

中国の重慶市政府は6月27日、同国西部エリア最大の高速鉄道ターミナルとなる重慶東駅の運営を開始すると発表した。

重慶東駅は重慶市南岸区茶園新区の東南に位置し、29の発着路線と28のプラットホームを持つ。駅構内には渝厦高速鉄道(重慶市~福建省アモイ市)、渝万高速鉄道(重慶市街~万州区)、東環都市間鉄道の3つの車両基地が横並びに配置されている。

駅構内の総面積は123万平方メートルで、幹線鉄道、都市間鉄道、都市郊外鉄道、都市軌道交通という「4つの鉄道ネットワークの一体化」を実現し、乗客は異なる軌道交通ネットワーク間を5分以内で乗り換えできる。

同駅開業式の27日、渝厦高速鉄道の初列車のG8699が重慶東駅から出発した。渝厦高速鉄道は重慶市を出発し、湖南省、江西省を経由して、福建省アモイ市までを結ぶ。今までは湖南省長沙市から重慶市に向かうには、貴州省貴陽市を経由する必要があったため、最短でも5時間11分を要した。今後は重慶東駅から渝厦高速鉄道を利用することで、長沙市まで最速3時間53分で行けるようになった。

重慶東駅は「交通強国」建設における駅と都市間を結ぶ一体化モデル事業で、西部陸海新通道(注)の重要な拠点でもある。開業当初はまず渝厦高速鉄道に接続し、今後は渝万高速鉄道、渝貴高速鉄道(重慶市~貴州省)をはじめとする複数の高速鉄道や都市軌道交通と接続する予定だ。同駅は高速鉄道、都市軌道交通、公共交通機関、商業施設を一体化した「スーパーハブ」となることが期待されている。

(注)主要ルートは、重慶市から貴州省、広西チワン族自治区を経由し、東南アジアに至るルートと、重慶市から雲南省を経由して、東南アジアに至るルート。その他、重慶市から湖南省を経由するルートや、成都市を起点とするルートもある。

(曾小桐)

(中国)

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