サウジアラビアのNIDLPプログラム、2024年非石油部門のGDP39%に貢献

(サウジアラビア)

リヤド発

2025年07月24日

サウジアラビアの国家産業発展・物流プログラム(National Industrial Development and Logistics Program:NIDLP、注)は7月19日、2024年の年次報告PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を発表した。それによると、NIDLP関連の活動はサウジアラビアの非石油部門GDPの39%で、9,860億リヤル(約38兆4,540億円、1リヤル=約39円)に達し、非石油部門はGDP全体の55%を占めた。

2024年のサウジアラビアの非石油部門の輸出総額は5,140億リヤル(前年比13.2%増)で、その内訳は次のとおり。

  • サービス輸出:2,070億リヤル(前年比13.7%増)
  • 商品輸出:2,170億リヤル(同3.8%増)
  • 再輸出:900億リヤル(同42.9%増)

主要な輸出品目は次のとおり。

  • 化学製品:785億リヤル(前年比1.9%減)
  • 金属・鉱物製品:233億リヤル(同13.4%減)
  • 機械・電気機器など:429億リヤル(同81.0%増)
  • 食品・飲料:105億リヤル(同15.4%増)

NIDLPに関連する分野では、2024年に243万3,000人が雇用され、50万8,000人以上の新規雇用が創出された。うち8万1,000人はサウジアラビア国民で、主に製造業、鉱業・採石業、電力・ガス、輸送分野に従事している。

再生可能エネルギー分野では、総容量20ギガワット(GW)のプロジェクトが開始され、3.7GW分の太陽光発電契約を締結し、3.6GWの商業運転を開始した。風力発電の生産コストは1キロワット時(kWh)当たり0.0587リヤルと世界最低水準を記録した。年間約170万トンの二酸化炭素(CO2)排出削減に寄与した。

国営通信(SPA)によると、NIDLPは次の主要指標を達成した。

  • 軍需産業の国産化率:19.35%(目標:12.5%、基準値:7.7%)
  • 非石油部門の現地調達貢献額:1兆2,310億リヤル(目標:1兆1,100億リヤル、基準値:9,420億リヤル)
  • 有望産業に対する最終事業許可件数:3,107件(目標:845件、基準値:169件)
  • 有望産業からの累計輸出額:1,356億リヤル(目標:987億リヤル、基準値:186億リヤル)
  • 再輸出用物流センター数:23カ所(目標:16カ所、基準値:2カ所)
  • 港湾利用率は目標の66%に届かなかったが、基準値の50.2%から改善した。

2024年末時点で、NIDLPは284件のプロジェクトを管理しており、そのうち163件(57%)が完了している。

(注)サウジアラビアの経済開発評議会が2017年4月に発表し、2019年から実施。「サウジ・ビジョン2030」の実現に向けた12のVision Realization Programsの1つ。産業、鉱業、エネルギー、物流を重点分野としている。

(林憲忠)

(サウジアラビア)

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