吉林省、高齢者介護サービス強化を図る26条の措置発表

(中国)

大連発

2025年06月02日

中国の吉林省人民政府は5月19日、同省の民政局を含む26部門と共同で、「高齢者介護サービスの革新的発展の推進に関する若干の措置」を公布した。この「措置」では4本柱26項目の取り組みを提示した。4つの柱の主な内容は次のとおり。

  • 県、郷、コミュニティー(注)各レベルでの高齢者福祉サービスネットワークの最適化推進:県レベルの総合高齢者福祉サービスプラットフォームの建設を進め、2029 年末までに省内の全県をカバーする。在宅訪問サービスやサービス紹介機能を備えた地域介護サービスセンターの建設の進め、省内80%の郷をカバーする。郷鎮(街道)レベルのサービス拠点と村(コミュニティー)レベルのサービス拠点を組み合わせたモデルを展開し、コミュニティー介護サービス施設などの建設を強化する。
  • 在宅、コミュニティー、施設介護が融合した発展モデル構築:食事介護、入浴介護、掃除介護などの専門的な介護サービス市場の事業者を育成し、家庭内ベッドスペースの建設を推進する。コミュニティー、不動産サービス、介護サービスが連携し、高齢者サービス、高齢者向けの専門的なケア、デイケア、リハビリテーションケア、訪問サービスなどのサービス体制を整える。
  • 政府、企業、社会の協同システム健全化:統一的な高齢者の健康状態に関する評価システムを整備し、長期介護保険の要介護度評価と必要なケアの認定基準に関する政策を策定する。高齢者福祉サービス産業向けの土地利用、財政、税制などの支援策を実施する。「吉林省のシルバー経済発展を推進する2025年行動プラン」を定め、国内外の有名な高齢者福祉サービス企業を誘致し、ブランドの発展を育成・支援する。コミュニティーを基盤とし、社会団体を担い手とし、社会福祉専門職員、ボランティア、コミュニティーの公益慈善団体を支えとする社会化された高齢者福祉サービスのメカニズムを整備・強化する。
  • 高齢者福祉サービスの発展を支える:高等教育機関に高齢者福祉やリハビリテーション関連の専攻学科を新設し、専門的な人材を育成する。大学や研究所、科学技術企業に対し、リハビリテーション補助器具、高齢者向け住宅用具、高齢者用レクリエーション用品、要介護者のケアなど関連製品の研究開発を促進する。

(注)中国の行政区分は、省級、地級、県級、郷級の4つの階層で構成される。郷級では郷と鎮が置かれており、これらには村・社区(コミュニティー)がある。

(呉暁東)

(中国)

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