ウェイモ、ニューヨークでの自動運転試験走行許可を申請、カリフォルニア州ではサービス地域拡大
(米国)
サンフランシスコ発
2025年06月19日
自動運転技術を開発する米国ウェイモ(本社:カリフォルニア州マウンテンビュー)は6月17日、ニューヨーク(NY)市での自動運転車の試験走行許可を申請したと発表した。マンハッタンでドライバーが同乗する条件の下、自動運転車「ジャガーI-PACE」の試験走行許可をNY市交通局に申請した。全米最大都市で、自動運転タクシーサービス展開を目指す第一歩となる。
NY州における自動運転車デモンストレーションまたは試験運転許可には、次の条件が定められている。
- 車両はすべての連邦基準および適用されるニューヨーク州の検査基準に準拠していること
- 車両に最低500万ドルの保険契約を締結していること
- 運転免許を保有する者が、運転席に搭乗する必要があり、安全かつ合法的に車両を運転するために、必要に応じて運転を制御する準備が整っていること
- 試験車両の安全な運転に関する十分な訓練を受けており、法的に安全な運転を保証できること
- 許可を受けた試験は、その結果を2026年3月1日までに報告すること
NY市でのテストにおいても、試験車両に運転者が常駐し、車両の制御を引き継げる準備が整っていることが義務付けられており、NY州と市の両方に申請が必要とされている。
ウェイモは、無人運転を可能にするNY州法の改正を訴えている。全米盲人連盟、ブロンクスコミュニティカレッジなどの団体と協力して、NY州や市との信頼構築に努めているという。規制に加え、都心部での展開はバス、配送車、自転車、人などさまざまな課題がある(テッククランチ6月18日)。
現在サービスを展開しているサンフランシスコ市の人口密度は約6,800人/平方キロメートル、人口は約82万人だが、NY市の人口密度は1万800人/平方キロメートル、人口は約847万人と都市環境が大きく異なる。
ベイエリアとロサンゼルスのサービスエリア拡大も発表
現在、ウェイモは、サンフランシスコ・ベイエリア、ロサンゼルス、フェニックス、オースティンの4都市で週に25万回を超えるサービスを提供している。6月16日にベイエリアのサウスサンフランシスコ、バーリンゲーム、メンローパークなどで、17日からはロサンゼルスのイングルウッドやシルバー・レイク、サンセット・ブールバード全域などへのサービス拡大を発表した。
(芦崎暢)
(米国)
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