2024年の経常赤字は前年比13%拡大
(モザンビーク)
マプト発
2025年06月17日
モザンビーク中央銀行は6月5日、2024年の国際収支報告書を発表した。経常赤字は2023年の22億720万ドルから24億9,820万ドルに、前年比13.2%拡大した。経済活動に起因する赤字拡大の要因は主に次の2つとなる。(1)国外からの貸付利子に対する返済が前年比54.2%増の19億2,570万ドルとなり、第一次所得収支のマイナス幅を広げ、同所得収支赤字が前年比36.8%拡大して、25億2,060万ドルとなったこと、(2)天然ガス産業への技術サービスの輸入が増加し、サービスの貿易赤字が前年比10.7%増の9億6,560万ドルだった(輸出額:11億4,700万ドル、輸入額:21億1,260万ドル)ことだ。サービスの貿易赤字拡大に対し、財の貿易赤字は対前年比81.9%縮小し、赤字額は1億6,380万ドル(輸出額:82億1,130万ドル、輸入額:83億7,510万ドル)となった。
金融収支赤字は前年比4.7%減の24億9,450万ドルだった。収支上マイナスとして計上される国外からモザンビークへの直接投資は、前年の25億940万ドルから41.6%増加し、35億5,270万ドルになった。投資内訳をみると、天然ガス、石炭、レアメタルなどのメガプロジェクト向け投資が29億1,290万ドルで、約82%を占めた。メガプロジェクト向け投資額の全てが親会社からの資本注入や貸付に当たる「その他の資本」に分類される。収支上プラスに計上される「その他の投資」は、前年のマイナス9,660万ドルから大幅にプラスに転じ、10億5,600万ドルとなり、結果的に金融収支赤字の減少に貢献した。「その他の投資」の増加要因は、為替取引と預金取引が前年比約36%増加したことで、合計で32億9,000万ドルとなった。
(松永篤)
(モザンビーク)
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