イスラエル中銀、政策金利を4.5%に据え置き、第1四半期のGDP成長率は前期比年率3.4%
(イスラエル)
テルアビブ発
2025年06月02日
イスラエル中央銀行は5月26日、金融委員会会合で政策金利を4.5%に据え置くことを決定した。11会合連続の据え置きとなる。
2025年4月の消費者物価指数(CPI)は前月比で1.1%上昇し、前年同月比では3.6%上昇と、目標範囲(1~3%)の上限を引き続き上回った。中銀調査部によると、インフレ率が目標範囲に収束する時期は、中銀調査部が4月7日に公表した経済見通し(2025年4月11日記事参照)よりも、後ろ倒しになるとみている。
2025年第1四半期(1~3月)のGDPは前期比年率で3.4%となった。第1四半期の成長は主に固定資本形成、サービス輸出(特にハイテク主導)などによって支えられたとしている。
前回2025年4月7日の金融政策決定以降、通貨シェケルは対ドルで約4.5%、対ユーロで1%上昇した。
過去12カ月の財政赤字額はGDP比5.4%だった。直近3カ月の税収は長期トレンドに近い水準まで回復している。
労働市場は依然として逼迫しているが、直近のデータではやや緩和の兆しも見られる。広義の失業率は依然として低水準にあるが、1月の2.9%(季節調整済み)から4月には3.4%へと上昇した。また、予備役による臨時欠勤率は4月に0.1ポイント上昇した。
イスラエルのリスクプレミアムは、5年物クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)と、ドル建て国債スプレッドで測定されるが、今回の評価期間中に低下したものの、2023年10月7日の紛争前の水準と比べて依然として高い状態にある。
次回の政策金利決定は7月7日に予定されている。
イスラエルとハマスの衝突の詳細についてはジェトロの特集を参照。
(アリサ・ノスキン、中溝丘)
(イスラエル)
ビジネス短信 f46885e5fa07799b