ダブリンで「2050アクセラレーター」プログラムのショーケースイベント開催

(アイルランド)

ロンドン発

2025年06月27日

アイルランド・ダブリンのインキュベーション施設ドッグパッチ・ラボ(Dogpatch Labs)が6月19日、第2回「2050アクセラレーター」プログラムのショーケースイベントを開催した。同プログラムは、ドッグパッチ・ラボが環境・気候・通信省と共同で、6カ月間にわたりサステナビリティ関連のスタートアップを支援するもの。このプログラムでは、協賛企業のケリー・デイリー・アイルランド(乳製品)、ESB(電力)、Coillte(森林管理)が抱えている課題を提示し、世界各国から解決策を提供するスタートアップを募集し、メンタリングを行う。

第2回のプログラムでは次の8社が選出された。

  • 食料サプライチェーンの信頼性・透明性の実現に向けてブロックチェーン対応のトレーサビリティ技術を提供する米国企業ホールチェーン(Wholechain)
  • 微生物の発酵により機能性成分を生成する精密発酵を利用して乳タンパク質を生産する米国企業タートルツリー(TurtleTree)
  • 衛星を使わずにナビゲーションを可能にする独立測位システム(IDPS)を提供する米国企業ターン(Tern)
  • 衛星画像とデータ分析を使用して泥炭地を監視し地域社会とインフラを保護する英国企業テラ・モーション(Terra Motion)
  • DNAシーケンシングと機械学習を使用して土壌 DNA を解読し、作物の収穫量を最適化するドイツ企業ソイリーティックス(Soilytix)
  • 遠隔地配送を可能にする大型ドローン配送ソリューションを提供する英国企業イオナ(IONA)
  • 電気自動車(EV)フリート向けに使用電力の低減、払い戻しの簡素化を可能にするソフトウエアを提供するアイルランド企業バッテリーサイクル(BatteryCycle)
  • 土壌生物が発生するガスのパターンを分析し、リアルタイムで土壌の健康状態を評価する手持ちデバイスを開発する英国のPES テクノロジーズ(PES Technologies)

ドッグパッチ・ラボのパトリック・ウォルシュ最高経営責任者(CEO)は「小国であるアイルランドは関係会社・機関の連結が強く、事業開発に有利」とアイルランドでビジネスを展開する意義を強調。2025年4月にダブリンへの「サステナブル・ファイナンス」プロジェクトオフィスの開設を発表した国連開発計画(UNDP)からも登壇があった。プログラムに参加した8社もそれぞれが登壇し、イベントに参加した関係者に自社サービスを紹介した。

写真 イベントの様子(ジェトロ撮影)

イベントの様子(ジェトロ撮影)

(尾関康之)

(アイルランド)

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