多摩化学工業子会社が米アリゾナ州に半導体材料の製造・研究施設を開設
(米国)
ロサンゼルス発
2025年06月27日
米国アリゾナ州のアリゾナ商業公社(Arizona Commerce Authority)は6月24日、多摩化学工業子会社のモーゼスレイク・インダストリーズ(本社:米国ワシントン州)がアリゾナ州メサ市に半導体材料の製造および研究施設を開設したと発表した。同社は半導体製造過程における高純度の電解質供給や銅をベースとした材料製造に取り組んでおり、開設した施設ではこれらの開発・製造に取り組むとみられる。
同施設は5万平方フィート(約4,600平方メートル)の敷地面積を有し、投資規模は約1億ドルとされる。増大する半導体業界の需要を満たすために、顧客の研究開発チームとの緊密な連携を促進し、サプライチェーンを効率化させていくという。モーゼスレイク・インダストリーズの江良博之社長兼最高経営責任者(CEO)は「新施設の開設は重要な中間目標地点であり、革新的な半導体産業の最前線に立って顧客をサポートするという深いコミットメントを反映している。アリゾナの強靭(きょうじん)な半導体エコシステム、熟練した労働力、戦略的に有利な条件は、継続的に事業を拡大していくうえで理想的な基盤となっている」とコメントしている。
アリゾナ州は地理的環境やインフラ、コスト面で優位性を持ち、半導体関連の投資が相次いでいる(2025年4月9日付地域・分析レポート参照)。こうした中で、ソフトバンクグループが半導体ファウンドリー(受託製造)世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)と提携し、アリゾナ州にロボット・人工知能(AI)開発のための1兆ドル規模の工業団地を建設する構想を持っている、との報道も出ている(ブルームバーグ6月20日)。
(堀永卓弘)
(米国)
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