英中銀、世界経済と地政学的動向を受け、金利据え置きを決定
(英国)
ロンドン発
2025年06月23日
英国イングランド銀行(BOE、中央銀行)は6月19日、政策金利を4.25%に据え置くことを決定した。前日まで開かれていた金融政策委員会(MPC)で9人中6人が支持した。世界的な不確実性は依然として高まっており、また中東における紛争の状況の変化によりエネルギー価格が上昇。経済および地政学的な動向を注視し、リスク評価を続けるとした。なお、残る3人は4%への引き下げを支持した。
経済成長は引き続き低調で、労働市場は需給バランスが緩み失業率上昇の傾向がみられ、また、賃金上昇率も緩やかとした。5月のインフレ率は3.4%と、前回MPCが開催された5月上旬時点での最新のインフレ率(3月)2.6%から上昇した。BOEはインフレ率について、2025年中はおおむね同様の水準が続き、その後低下していくと見込んでいる。
英産業界は段階的な利下げを見込む
英国産業連盟(CBI)は、MPC内で依然、インフレ圧力の持続性への懸念が残っており、その上で、BOEは(利下げには)国内のインフレ圧力の緩和を示すさらなる証拠が必要であると考えている可能性が高いとした。加えて、中東情勢による石油価格の動向などを注視するだろうと分析した。これらを踏まえ、今後のさらなる利下げについては段階的に行っていく可能性が高いとした。具体的にはCBIは、MPCが今後さらに3度利下げをし、2026年初頭に3.5%まで引き下げると予想している。
(野崎麻由美)
(英国)
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