バイエルン州半導体会議に産学官関係者が参加
(ドイツ)
ミュンヘン発
2025年06月06日
バイエルン州半導体会議がドイツ南部の同州都ミュンヘンで6月2日に開催された。今回で4回目となり、新型コロナウイルス禍での半導体サプライチェーンの混乱を受けて、将来的にアジアへの依存度を低減していくことを目的に、2021年に策定された同州半導体イニシアチブの一環として、同州政府が主催した。会議には企業やEU、ドイツ連邦政府の代表者、研究機関や業界団体などから約350人が参加し、半導体産業の今後の展開やバイエルン州の関連企業にとってのチャンスなどについて、講演やパネルディスカッションが行われた。
半導体イニシアチブを立ち上げたフーベルト・アイバンガー・バイエルン州経済・開発・エネルギー相は講演で、「半導体とマイクロエレクトロニクスはバイエルン州の産業政策の核となる要素で、半導体産業の活性化が新たな投資を呼び込む」と述べた。台湾積体電路製造(TSMC)がミュンヘンに欧州デザインセンターの設置を発表(プレスリリース、ドイツ語)したことは、バイエルン州の経済立地としての強さを示す証しとした。同州によると、TSMCのデザインセンターは2025年第3四半期(7~9月)に開設予定で、特に自動車や産業アプリケーション、人工知能(AI)、通信、IoT(モノのインターネット)用のデザインが中心となるという。
キーノートスピーチを行ったマルクス・ビットマン・バイエルン州経済・開発・エネルギー事務次官は、州の強みは特にチップデザインにあり、同州経済を支える自動車産業がアジアのライバルと競っていくには、半導体をはじめとするイノベーションが不可欠と述べた。また、半導体デバイスが完成するまでの多くの工程を全て自前で行うことはできないことから、日本をはじめとするパートナーが重要性とも指摘した。
(鷲澤純)
(ドイツ)
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