南米最大級の書籍展示会開催、人気の日本マンガタイトルをヒアリング
(ブラジル、日本)
サンパウロ発
2025年06月25日
南米最大級の書籍展示会「ビエンナル・ド・リブロ・リオ(BIENAL DO LIVRO RIO)2025」が6月13~22日、ブラジルのリオデジャネイロ市で開催された。同展示会は2年おきに同市で開催されており、主催者の発表によると、22回目の今回は、前回の2023年から23%増の約74万人が来場した。
(左)展示会場の様子、(右)展示会場で販売された幅広いジャンルのマンガ(ともにジェトロ撮影)
会場ではブラジルの大手出版社や個人作家のブース出展がみられた。ブラジルで人気の日本マンガ(注、以後はマンガ)のポルトガル語翻訳版を出版している大手出版社のJBC出版やNewPop出版、パニーニ・ブラジルも出展した。各社のブースではマンガが25~50レアル(約650~1,300円、1レアル=約26円)で販売されており、来場者の注目を集めた。特に若者の姿が目立ち、主催者によると、参加者のうち13万人は公立学校の学生だった。
JBC出版のブース担当者に人気のマンガタイトルをヒアリングしたところ、ブースでの1番人気は「ハイキュー!!」、次に「NANA」との回答があった。動画配信サービスで日本アニメの人気が高まったこともあり、数多くのマンガ作品に注目が集まっており、ブースも連日盛況だったという。同社のブースの店頭では「うみべの女の子」「君の名は。」「火の鳥」「美少女戦士セーラームーン」「北斗の拳」など、幅広いジャンルや年代のマンガが販売され、ブース内には「新作」「アクション、アドベンチャー」「LGBTQ」などのジャンルごとに複数タイトルが陳列されていた、また、ブラジルで人気が根強い「聖闘士星矢」にフォーカスした棚も設けられた。
(左)JBC出版のブース店頭で販売されるマンガ、(右)ジャンルごとに陳列されたマンガ(ともにジェトロ撮影)
イタリアの大手出版社のブラジル法人、パニーニ・ブラジルのブースでは、目につきやすい入り口付近に「ドラゴンボール」「ONE PIECE」「NARUTO‐ナルト‐」など、ブラジルで人気の少年マンガが陳列された。ブラジルで国民的な人気を博すコミックシリーズの「Turma da Mônica」と並んで販売され、子供から大人まで作品に手を伸ばす姿がみられた。NewPop出版のブースでも数多くのマンガのタイトルがみられ、ブース担当者によると、人の入りが連日良く、「気になっている人が男じゃなかった」がブースで1番人気のマンガタイトルだと語った。
(左)パニーニ・ブラジルのブースでマンガを手にする来場者、(右)NewPop出版のブース(ともにジェトロ撮影)
(注)ブラジルでのマンガの市場規模を含む日本アニメ関連サービス・商品の人気についての詳細は、調査レポート『アニメ関連サービス・商品に関するブラジル市場レポート(2025年3月)』を参照。
(伊藤優一)
(ブラジル、日本)
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