青島市、外国人観光客向け決済と増値税還付制度を最適化
(中国)
青島発
2025年06月17日
中国山東省の青島市は、外国人観光客の消費促進を目的に、決済の利便性向上と増値税還付サービスの最適化を進めている。
同市は全国17の決済サービス最適化重点都市の1つに指定されており、「高額取引はカード決済、少額はQRコード決済、現金は補完手段」とする方針の下、決済インフラの整備を継続している。
中国人民銀行(中央銀行)青島支店の最新データによると、2025年1~4月の期間にモバイル決済を利用した外国人ユーザーは月平均で2万6,000人に達し、前年同期比2.2倍となった。また、現在5,000社以上の主要商業施設が外国発行のカード決済に対応しており、カード受け入れ率は99.98%になっている。さらに、18の主要銀行が設置した2,400台以上のATMで外国カードによる現金引き出しが可能となり、外貨両替所も1,000カ所以上設置されている。
青島市は外国人観光客の行動パターンと利用頻度の高いエリアを分析し、青島膠東国際空港を含む5カ所に決済利便化サービスエリアを設置した。空港の総合サービスセンター(2025年2月10日記事参照)では、国内での決済方法の相談対応や、モバイル決済アプリのダウンロード支援、外国カードによる現金引き出しや外貨両替サービスを提供している。さらに、簡易口座開設や小銭両替のカスタマイズサービスも用意し、多様な決済ニーズに対応している。
一方、外国消費者向け増値税還付制度改革も進行中だ。4月に発表された国家税務総局公告2025年第9号により、増値税の「即時還付」制度の全国展開が始まっている(2025年4月16日記事参照)。指定された「即時還付」店舗で買い物をした外国人観光客は、クレジットカードによる事前認証を経て、その場で還付金を受け取ることが可能となった。現在、青島市内の一部大型商業施設では既に協定を締結し、「即時還付」サービスを導入済みだ。これにより、従来の出国時の手続きが購入時に前倒しされ、時間コストが大幅に削減され、外国人観光客の買物需要への対応が強化された。
また、同市税務部門は増値税還付対象店舗の拡大にも積極的に取り組んでおり、信用度の高い新規企業が税還付店舗にすぐに転換できるよう支援している。現在、同市の税還付登録店舗は55カ所に達し、前年比30%増加した。
青島膠東国際空港にある総合サービスセンター(青島市政府の許可を得てジェトロ撮影)
(董玥涵)
(中国)
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