台湾、輸出規制リストに中国のファーウェイとSMIC追加

(台湾、中国)

調査部中国北アジア課

2025年06月17日

台湾経済部は6月16日、特定の高技術製品や技術の輸出を管理・規制する「戦略性ハイテク物品輸出実態管理リスト」の更新版を発表した。同リストはこれまで計1万844件を対象としていたが、更新版にはロシア、パキスタン、イラン、ミャンマー、中国大陸などの601件を追加し、中国の華為技術(ファーウェイ)、中芯国際集成電路製造(SMIC)も新たに追加した。

米国の輸出管理規則(EAR)上のエンティティー・リスト(EL)には、2019年5月からファーウェイ、2020年12月からSMICが掲載されているため、既に当該2社に対しては、米国技術を含む半導体製品の台湾企業からの供給は事実上不可能になっている。一方で、2025年に入り、ファーウェイが別の中国企業を経由して台湾積体電路製造(TSMC)の半導体を調達した疑いが指摘されるなど(「中央通訊社」1月16日)、台湾当局が輸出管理の対象にファーウェイなどを追加するかが注目されていた。

経済部は台湾企業に対し、同リストに掲載している企業との取引を行う際は、先に経済部国際貿易署に輸出許可証を申請しなければならないと注意を促した。

同リストへのファーウェイ、SMICの追加による台湾企業への影響について、「工商時報」は、当該2社が米国のエンティティー・リストに追加されて以降、関連する台湾企業は既に同社との取引を大幅に減少させていることや、当該2社は台湾企業に代わって中国企業からの部品供給が増えていることから、実際の影響はほぼないだろうと報じた(「工商時報」6月16日)。

(江田真由美)

(台湾、中国)

ビジネス短信 dc156d00a04c257c